本:ソリューション・バンク2

『ソリューション・バンク ブリーフセラピーの哲学と新展開』 長谷川啓三,金子書房
WS000033

この本は、ブリーフセラピーについて書かれた本です。
ブリーフとは短いという意味で、短期療法とも訳されますが、
あまりしっくりときません。ま、それはともかく、
ブリーフセラピーというのは、心理療法の一つのグループで、
他の心理療法、たとえば精神分析なんかと比べると、
かける時間が非常に短いのでそう呼ばれます。

以前、解決指向型アプローチを中心に、
ブリーフセラピーについて
このブログでとりあげたことがあります。
ブリーフセラピーについて
解決志向型ブリーフセラピー(SFBT)

あるいは、”リフレーミング”という技法がありますが、
これは物事のとらえ方、見方を変えることで、
今まで困っていた事柄が、それほど困ったことでなくなる、
という変化を起こさせるものです。
(なかなか僕はうまく使えませんが)

ブリーフは短いということですが、
どれくらい短いかといえば、
昨日泣き叫ぶ子を黙らせるのに、
「もっと泣け」と言うだけで、
時にピタリと泣き止んでしまうくらい短いわけです。

まあ、これは一つの事象で、極端な話ではありますが、
うまくいくときはそんなものなのかもしれません。

「アハ!体験」というものがあります。
不思議なひらめきを感じる体験ですが、
これはある対象や事柄についての認知が
一気に変わることと考えられます。
ブリーフセラピーの原理もこれに近いものかもしれません。

それにしても、この本の最後の方に
このブリーフセラピーの先駆者は
ビクトル・フランクルという人だ
と書いてあってびっくりしました。
僕はミルトン・エリクソンだと思っていたのですが。

ビクトル・フランクルと言えば、
『夜と霧』という有名な著作があります。
アウシュビッツを生き延びて生還した時の話だと聞いています。
実はこの本、40年くらい前に買ったのですが、
未だに読まずに本棚の上の方に飾ったままです。
もうそろそろ読んでみなければなりませんね。