ブリーフセラピーについて

日常診療をしていると、
訴えが強いわりには検査をしても何も異常が見つからない、
そんな場合に時に遭遇します。
(もちろん、何か見逃していないか慎重に診ていく必要はありますが)

また、明らかな病気であっても、
ある程度治療を行えばうまくいくはずなのに、
どうやっても中々うまく治らない、
あるいは一時的には治ってもすぐにまた繰り返す、
そんな場合も時に遭遇します。

前者は心因性の病態が疑われます。
後者は、疾患としては、「○○病」といった病名はつきますが、
その背景に心理的なものが見え隠れしており、
心身症の可能性が考えられます。

こうした心理的な要素が絡んでいると思われる患者さんの場合、
本当は足かせとなっている心理的問題を解きほぐし、
問題解決を進めていくというのが本来の治療となるかと思います。

ただ、ご本人がそうした心理的問題を意識されていない場合や、
あるいは、うすうす意識していても認めたくなさそうな場合は、
心療内科や精神神経科には中々ご紹介するのは躊躇します。

だからと言って、我々一般診療医が、
患者さんの内面に深くアクセスするには、
経験も時間も、スキルも足りません。
(もちろん、本当は、一般診療医でも、
ある程度そうしたことができるのが理想ではあるのですが。)

また、最近は心療内科等も増え、
すでにかかっていらっしゃる患者さんもたくさんいらっしゃいます。

そうした中で、心因関与の患者さんに対して、
粘り腰で応対していくツールが欲しいところです。

そんな時に、ちょっと使えそうなのがブリーフセラピーです。
もちろん、きちんとやるには、
きちんとしたトレーラーについて、しっかり学ぶべきなのでしょうが、
他の心理療法に比べると、比較的学びやすく、
患者さんにも優しい方法だと思われます。
(患者さんの内面に切り込んでいく必要がないため)

僕も、昔開業する少し前(もう20年以上前になりますが)に、
先輩医師が勉強されているのを見て、
感化されてしばらく勉強したことがありました。

当時、先輩が学ばれていたのは、
Solution Focused Approach(解決志向型アプローチ)
(今は、Solution Focused Brief Therapy(SFBT)
解決志向型ブリーフセラピーとも呼ばれている様です。)

ブリーフセラピーの源流は、
ミルトン・エリクソンと呼ばれる天才療法家に始まります。
ただ、エリクソンは
治療は一人一人にそったものであるべきという立場で、
理論体系づけをされなかったそうです。

エリクソンから派生して、体系化されたものとして、
インスー・キム・バーグ&ド・シェイザーが設立したSFBTや、
ジョン・グリンダーとリチャード・バンドラーらが開発した、
神経言語プログラミング(Neuro Linguistic Programming(NLP))
など、たくさんの心理療法が花咲くこととなりました。

僕が勉強していた当時は、
SFBTもNLPも参考書はほとんど数えるほどしかありませんでした。

その後NLPは心理療法としてだけでなく、、
強力なビジネスツールみたいなところがあって、
どんどん広がってきました。
それに伴って、最近では本も結構みかけるようになりました。

それに対して、SFBTを扱った本はなかなか見かけなかったのですが、
先日、いい本を見つけました。
その本については、次回お話します。