怖い絵展/レディ・ジェーン・グレイの処刑

先日、
現在兵庫県立美術館で開催されている、
『怖い絵展』に行ってきました。

今回のこの怖い絵展、すごく楽しみにしていました。

それは、この催しの一番の目玉、
”レディ・ジェーン・グレイの処刑”を見るためでした。
jane

この絵については、当院のブログでも触れました。
2017/04/18  『レディ・ジェーン・グレイの処刑』がやってくる!

2017/04/19  『レディ・ジェーン・グレイの処刑』がやってくる!2

実に12年前、2005年にロンドン・ナショナルギャラリーで見て、
衝撃を受けた作品でした。

今回のこの『怖い絵展』が実現するまでの道のりを、
企画された中野京子さんが、日経新聞で連載されていたコラムに、
開催される直前に書かれていました。

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この「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が日本に来るなんて、
企画された中野氏自身が本当に信じていらっしゃらなかった様です。

当初、担当の方が、ナショナルギャラリーに交渉した際に、
「大きすぎて運べないので物理的に無理」
と断られたそうです。

今回、久しぶりに観ましたが、
確かに、大きい!
圧倒的な迫力です。

「世界中から年間600万人がこの作品を観に来る」
というのもわかるような気がします。

透き通るようなレディ・ジェーン・グレイの白い肌、
それと対照的な不気味な斬首台や斧。
呆然とする侍女、後ろを向いて泣く侍女、
それと対照的な筋骨隆々の斬首執行人。

今回、改めて観て、一つ見逃していたところに気がつきました。
それは、左手の薬指の指輪。
直前まで身につけていた宝石類は取り外され、
侍女の手元にあったけれど、
指輪だけはそのまましていたのですね。

怖い絵というより、
僕は哀しい絵だと思います。