本:めまいは寝転がり体操で治る2

昨日からの続き。
肥塚先生のこの本で特徴的なところ。

2.めまいのリハビリにブラントーダロフ法を採用
このブラントーダロフ法(B-D法)は、
良性発作性頭位めまい症(BPPV)に対する治療として
1989年に報告されたのですが、
現在BPPVに対して標準となっているEpley法(1992年)や 、
B-D法と似ているSemont法(1988年)と比べると、
三半規管の中の耳石を追い出すという
解剖学的な視点がなかったので、
僕はSemont法のが優れていると考え、
この治療法は過去のものと思っていました。

しかし、寝返り体操と同じく、
三半規管に紛れ込んだ耳石を崩す効果があるのと、
前庭代償を促進する強い効果があり、
慢性期のめまい患者さんにオススメだと言われ、
ああ、そうか!と再認識しました。
(この治療法は五島先生の本にも出ています。)

.「指はココ!体操」
指標追跡のリハビリは多くの本に書かれていますが、
閉眼で同様の頭を動かす体操を付け加えられたのが
非常にいいと思います。
頭でイメージをするというのは、
脳の中での空間認識を鍛えるのに非常に大切だからです。

4.最終章、”めまいを起こしにくい体の作り方”から
底の薄い靴を選ぶ
これは、今まで他の本で読んだことがありませんでした。
(僕が読み飛ばしているだけかもしれませんが)
確かに、体の平衡(バランスをとる)には、
三半規管だけでなく、眼からの情報とともに、
足の裏裏からの情報も大きく関与しているわけで、
その情報をしっかり感じるためには
底の薄い靴の方が有効です。

杖や手すりを活用する
以前、肥塚先生にお会いした時に、先生が、
「指1本でも壁に触れているだけでも
平衡感覚は安定するんですよ。
触覚というのもすごく大事な役割をしているんですよ。」
とおっしゃっていたのを思い出しました。
これは科学的にデータをとられての話です。
単に「フラフラするならつかまっときなさい!」
という話ではありません。

そして、先生はこの本の最後に、
「めまいが治ったら、あなたはなにをしたいですか?」
という言葉で締めくくられています。

問題点が解決した時の状況を思い浮かべる
これって以前このブログで書きました、
解決志向型アプローチ(SFBT)にも通じる様に思います。
良くなった時のことを思い浮かべる!
これが大切なんです。