映画の1シーン

いつ頃からでしょうか。
何となく、たまーに蘇ってくる記憶がありました。

外国の映画なのですが、
おそらく中学生か高校生の頃にテレビで観たのだと思うのですが、
1シーンだけがふと蘇ってくるくるのです。
(以下、ネタバレの映画の話が出てきますのでご注意を)

外国のどこか田舎の小屋の様なところに
誰かが尋ねていきます。
中の住人がちょっと顔を出します。
すると訪れた人は、足で地面に「π(パイ)」という文字を書きます。
それが暗号なのでしょう、
その家の人は訪問者を家の中に招き入れます。
多分スパイを意味する「π」なんじゃないかと思うのです。

たったこれだけの映画の一場面なんですが、
不思議と時々頭に浮かぶのです。

ある時、この話を嫁さんにしたことがありました。
「ふーん、何か他に覚えていることはないの?」」
「そうだねぇ・・・同じ映画だという確証はないんだけど、
 ジュリー・アンドリュースが出ていた様な気もするんだ。」
そんなことを半年くらい前に話していたことがありました。

そしたら、夏休みの時のことでした。
今年はどこにも出かける予定がなかったので、
撮りためていた(正確には嫁さんが録画してくれた)映画を観よう、
ということになりました。

この時、嫁さんがたくさん撮っといてくれた映画の中から、
一つを選んで画面に出してくれました。

「以前、言っていた映画って、これじゃない?」

映画のタイトルは『ひきさかれたカーテン』:
ポール・ニューマンと、ジュリー・アンドリュースが主演の映画です。

ジュリー・アンドリュースが出ていて、スパイ映画。
ホントにそんな映画あったんだ!ひょっとしたら・・・

まあ、今ならインターネットでちょっと探せば
すぐに見つかりそうなものですが、
実際には他力本願、探すわけでもなく、
何となくぽつりと嫁さんの前でつぶやくだけだったのでした。

ひょっとしたら・・・そんな思いを持ちながら映画を観だしました。
しかし、最初の方を見ても全く何も思い出せません。
うーん、確かにスパイ映画ではあるけど・・・
何も覚えていないなぁ~。
そう思いながらしばらく観ていたら・・・
場面は急に出てきました!

主人公のポールニューマンが田舎の農家を訪ねます。
中から女性が顔を出します。
すると主人公は地面に足で「π」の字を書きました。
ああ!! これこれ!!!
何十年も僕の頭の中に顔を出す場面でした。

その後、ポールニューマンとジュリー・アンドリュースが、
東ドイツから脱出を試みます。
追っ手が迫る中、二人は劇場に紛れ込みます。
しかし、そこでも舞台俳優に見抜かれてしまい通報されてしまいます。

観劇を見るふりをしながら、じっとなりを潜める二人。
劇場の観衆を取り囲む様に憲兵の数がどんどん増えていきます。
すごい緊張感です。

あれ、このシーン!何となく似てる!
そう、ジュリー・アンドリュースの代表作、
『サウンド・オブ・ミュージック』の最後の場面に似ています。

ここで、どんなふうにして、この危機を乗り越えるのかな?
昔観たはずなのですが、先のシーン以外は全く覚えてなかったので、
ハラハラしながら観ていました。

そうしたら、突然直前で別の記憶が甦りました。
ああ、思い出した!

どんな風に脱出するのかはあえて書きません。

ポール・ニューマンとジュリー・アンドリュース、
監督はアルフレッド・ヒッチコックという豪華な映画ですが、
ヒッチコックの映画の中では少し評判は芳しくないようです。
そうは言ってもそれでも、じゅうぶん楽しめる作品です。

お時間のある方は是非観てみてください。
冷戦当時の雰囲気なども感じることができるかもしれません。

お時間が来たようです。
それでは、皆さんまたお会いしましょう。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!