本:三体 

世界的ベストセラーとなった本らしいので、
読んでいる人はとっくの昔に読んでらっしゃるかもしれませんね。

僕は、この本自体は昨年のはじめくらいに買っていたのですが、
分厚い単行本だったこともあり、
さらにCOVID-19のドタバタなどもあって、
本を読む余裕がなくてずっと放置していました。

この夏、余裕ができたわけではないのですが、
1週間ずーっと雨だったので、
さらにCOVID-19も収まる気配がないもので、
結局、ほとんど家にこもっていたので、
かねてから懸案事項にあったこの本を読むことにしたのでした。

『三体』  劉 慈欣 著, 大森 望/光吉さくら/ワン・チャイ 訳, 立原透耶 監修, ハヤカワ書房

ジャンルはSFです(読む前はそれすら知らなかったのですが)。
高校生の頃は眉村 卓さんや、光瀬 龍さんの作品など
よく読んでいましたが、大人になってからはSFは久しぶりでした。
それも中国のSF、読むまでは何かぴんときていませんでした。

特に出足(第一部)は、文化大革命から始まります。
最初は全くSFらしくありません。
これSFなん?そう思いながら読み続けます。

それが、第二部に入って話ががらりと変わります。
そこからは徐々に三体ワールドに入り込んでいきます。

ストーリーについては詳しくは書きませんが、
テーマは地球外生命体へのファーストコンタクトです。

三体というのは物理学上のテーマとして、
「三体問題」というのがあって、
3つの物体が相互作用する場合、
その動きは特殊な条件下以外は推測できないらしい。

普通、太陽と地球、地球と月というのは、
位置関係は何分後、何時間後、何年後、など、
ほとんど正確に推測できます。
ところが、物体3つがそれぞれに強く影響を及ぼしている場合、
未来にその位置関係がどうなっているか推測できない。
(そんな理解でいいんですかね?)
とにかく、物語はそのことと関連して進んでいきます。

僕もそこのところはあまりよく分かっていませんが、
そうした物理学についてそれほど詳しくなくても、
物語は楽しく読むことができます。

さらにSFではありますが、単なる空想小説というよりも、
SFという形式をとりながらも、
人間の業の様なものもしっかり描かれています。

この『三体』は、『暗黒森林』『死神永生』という続編があり、
「三体三部作」と呼ばれ、2100万部以上も売れているそうです。

とくに理系の人にオススメの本の1冊です。