300年ぶりの発見?

最近、Naureから注目記事がメールで届く様にしているのですが、
1ヶ月ほど前だったでしょうか、こんな記事がありました。

”New spit glands found in our heads
(私たちの頭の中に見つかった新しい唾液腺)”
腫瘍学者が上咽頭に唾液腺を見つけた!というのです。

この話はNew York Timesの記事を指しています↓
Doctors May Have Found Secretive New Organs in the Center of Your Head(医者はあなたの頭の中心に秘密の新しい器官を見つけたかもしれません)”
(訳はgoogleにお任せしています)
ひょっとしたら300年ぶりの発見か!だって。

そして、この記事が元にした論文というのがこれ↓
The tubarial salivary glands: A potential new organ at risk for radiotherapy(耳管唾液腺:放射線療法のリスクがある潜在的な新しい臓器)”

放射線治療を行っているグループが、
前立腺に特異的な抗原とくっつく物質を使って、
PETーCTを行ったところ、一般的に知られている
大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)と同じような集積が、
鼻の奥の耳管付近にも見られたと報告しています。
それは舌下腺と類似の粘液腺中心の組織なんだそうです。

頭頸部の放射線治療をするときに、
この腺を照射部位に入れてしまうと口内乾燥感や
嚥下障害が生じやすくなる危険があるので、
放射線治療の計画の際には十分気をつけましょう、
ということらしいです。

鼻や口、のどは粘膜に覆われています。
粘膜は基本的には濡れているのが正常で、
もし粘膜が乾いたら相当な苦しみだと思います。
ですので、鼻咽腔には1日に2リットルとか、
あるいはそれ以上に流れているとも言われています。
その粘膜の潤いを行っているのは、
鼻や咽頭の無数の小唾液腺だと思っていました。

この第4の唾液腺は、上咽頭、特に耳管の入口付近にあるそうです。
このあたりは、耳管扁桃や咽頭扁桃(アデノイド)など
リンパの組織が豊富で、
慢性上咽頭炎に対して上咽頭擦過療法を行う場所なので、
普段、ファイバーで普通に見ているところです。

もし、独立した腺組織だとしたら、
この第4の唾液腺の過形成による粘液分泌の亢進で
後鼻漏が生じている可能性だとか、
逆にこの唾液腺の萎縮による粘液分泌減少が、
上咽頭の張り付き感の原因となる可能性が
あるのかもしれません。

そういえば、高齢者の方で、「のどに流れてきて気持ちが悪い」と、
診察中も絶えず唾を拭っている患者さんがいらっしゃいます。
漢方では「喜唾(きだ)」と呼ぶのですが、
これって、ひょっとしたらこの第4の唾液腺の仕業かもしれませんね。

第4の唾液腺が本当にあるのかどうか。
もしあるのなら、自律神経がどのようにそこに関わっているのか、
そこまで解明してほしいものです。