本:からだ言葉の本4「口」

次は口について

<口>
合口・・・1)物と物の合わせ目、2)互いに話が合う。親友
開いた口が塞がらない・・・呆れ果て、茫然とするさま
上がり口・・・玄関先、靴をぬいで上がったところ
商い口・・・1)商人の上手な口上、2)商売のできる機会
あくちも切れぬ・・・世間知らずの、年少の者をあざけっていう言葉(知りませんでした)
悪口雑言・・・口ぎたなく、あれこれ思う存分に悪口をいうこと(あっこうと読むんですね)
いける口・・・酒を飲める体質
糸口・・・ ① 糸巻きなどの糸の端(まあ、もともとはそういうことでしょうね)、 ② 物事の始まり。手がかり。端緒
姥口(うばぐち)・・・1)歯のない老婆の口、2) 茶道で、周囲が盛り上がり、口のすぼまった形をした釜・香炉・水指(みずさし)などのこと、3) 物のふたなどがきちんと合わないで、少しあいていること(関係ないですが、「うばぐち」を打ち込もうとしたら「右左口」と変換されました。山梨県に右左口と書いて「うばぐち」と呼ぶ地名があるんですね、知りませんでした)
売れ口・・・1)売れていく先、2)売れ行きの状況、3)嫁ぎ先(←これはほとんど死語ですね)
大口を利く・大口をたたく・・・偉そうなことを言う、身の丈に合わないことを言ってのける
お口が上手・・・言葉で相手を納得させたり喜ばせたりするのがうまいこと
お口ふさぎ・口汚し・・・人にあげる食べ物を謙遜する表現
貝の口・・・帯の結び方(知りませんでした)
陰口をたたく・・・当人のいないところで悪口を言う
軽口・・・1)調子が軽くておもしろい言葉・話、2)軽妙なしゃれ、3)口が軽くてよくしゃべること
川口で船を破る・・・成功の一歩手前で失敗すること(知りませんでした)
切り口・・・1)切断面、2)切り傷のあと、3)切る腕前、4)批評の手際、着眼の鋭さ
切り口上・・・1)一語ずつ区切ってはっきりという言い方、2)改まった堅苦しい調子の話し方、3)歌舞伎で上演が終わった後、座長や楽屋の頭取が幕の前へ出て「まず今日はこれぎり」と、挨拶すること
口舌(くぜつ)・・・言い争い。口げんか
口舌(こうぜつ)・・・口先だけの言葉。物言い
口開け・・・1)口をあける、あけた時、2)事の始まり
口遊び・・・1)口ずさみ、悪口
口当たり・・・1)味わい、2)もてなし、3)取り扱い
口入れ・・・1)話をはさむ、2)紹介、3)奉公人を世話すること
口うつし・・・1)口から口へじかに飲食物を移すこと、2)直に言葉で伝えること
口占・口裏(くちうら)・・・1)人の物言いで吉凶を占う、2)話しぶりからその人の心底を察する(口裏から察する)
口裏を合わせる・・・あらかじめ相談して話の内容が食い違わないようにする
口うるさい・口やかましい・・・絶えず不満を言ったりあら探しする
口惜しい・・・くやしい、残念だ
口が上がる・・・1)物言いがうまくなる、2)生活が苦しくなる
口がおごる・・・うまい食べ物に慣れて、ぜいたくになる
口が重い・・・口数が少ない。寡黙である
口がかかる・・・1)芸人・芸妓などが客の座敷に呼ばれる、2)仕事の注文などを受ける、3)仲間などから誘いがある
口が堅い・・・1)秘密が守れる、2)栓がきつい
口が過ぎる・・・限度を越えてものを言う
口が酸っぱくなる・・・同じ言葉をなん度も繰り返して言い聞かせるさま
口がすべる・・・言ってはならないことをうっかり言ってしまう
口が立つ・・・1)しゃべるようすが非常に流暢である、2)屁理屈をこねる、ああ言えばこう言う
口固め・・・1)口止め、2)口約束
口が干上がる・・・生活手段を失い、食えなくなる
口が減らない・・・口が達者で、理屈を並べて言い返したり、勝手なことを遠慮なくしゃべったりするさま
口が回る・・・よどみなくすらすらと言葉を発する
口から先に生まれる・・・口数の多い者や口の達者な者をあざけっていう言葉(まあ、あざける言い方とばかりでもないようにも思いますが)
口が悪い・・・人や物事をずけずけとけなすような話し方をするさま
口ぎたない・・・1)ひどい物言いをする、2)むさぼり食う
口車に乗る・・・言葉巧みに言われてだまされる。おだてに乗る
口ごたえ・・・言い返す。一般には目上の人に対することが多い
口ごもる・・・1)言葉が口中にこもってはっきりしない、2)つかえてうまく言えない。3)言いかけてやめる。けおされて、ためらって、はっきり言わない
口先だけ・・・口ではそう言っているが、実際の行動には至らないさま
口ざみしい・・・何か口に入れるものが欲しい感じ
口塩・・・ 1)魚の切り身などに軽く塩を振りかけること、2) 客の出入り口に振っておく塩、盛り塩に同じ
口しのぎ・・・一時しのぎの貧乏な生活
口三味線・・・ 1)口で三味線の伴奏をまねること、2) 口先で相手を巧みにだますこと
口茶・・・1)出がらしの茶にそのまま新しい茶を加えること。また、その茶、2)むだにすること(←2)についてはネットでは見かけませんね)
口づけ・・・最近は死語になりつつあるような。でも接吻よりはまだ認知度が高いかな
口鼓・・・口で鼓を打つような音を出すこと。舌つづみ(とネットにはありますが、本には舌打ちとも書いていますね。嫌な行為も含まれているのでしょうかね?)
口と腹が違う・・・ 言うことと考えていることが違う
口慰み・・・ 1)退屈しのぎに、話をしたり詩歌を口ずさんだりすること、2) 退屈しのぎに間食をすること
口無し・・・物言わぬこと、物言わぬ者
口にあう・・・飲食物の味が好みに合う
口の虎は身を破る・・・言葉を慎まないために、ついに身を滅ぼしてしまうたとえ(知りませんでした)
口の端(くちのは)・・・1)言葉の端々、2)噂
口の世・・・食っていくのがやっとの状態。また、その程度のわずかな手当
口は禍のもと・口は災いの門・・・不用意にものを言ってはならない、不用意な言葉から災いを招く
口は口、心は心・・・言うことと心の内で思っていることとが違う
口走る・・・1)正常な判断力を失って言う。無意識に言う、2) 言ってはならないことをうっかり言う
口八丁手八丁・・・しゃべることもやることも達者なこと
口はばったい・・・言うことが身の程を知らず、生意気である
口幅ひろし・・・遠慮のない口をきく
口番・・・下足番、受付
口火・・・1)火縄の火、2)起爆の火、3)発端
口引き・・・牛馬のたづなを取る人
口開き・・・開始、事の始め
口塞ぎ・・・他言を禁じる
口不調法・口下手・・・話すことが不得意で、思うことをうまく人に言えない
口減らし・・・家計の負担を軽くするために、子供を奉公に出したり養子にやったりして、養うべき家族の人数を減らすこと
口ほどにもない・・・実際は口で言っているほどではない
口任せ・・・口から出るに任せてものを言うこと。出まかせ
口寄せ・・・民間信仰の一つ。神霊,生霊,死霊の心を巫女など霊媒の口を通して聞くこと(初めて聞きましたが、漫画「NARUTO -ナルト-」に出てくるんですね、それも知りませんでした)
口脇が白い・口脇きばむ・・・未熟、子どもっぽい、経験が少ないことをあざける(これも知りませんでした)
口を割る・・・白状する
口を切る・・・最初に発言する
口を利く・・・1)しゃべる、2)便宜に仲介する
口を過ごす・・・どうにか暮らす
口を揃える・・・皆が同じ内容のことを言う
口を出す・・・1)分を越えて意見を言う、2)干渉する、3)他人の会話に割り込む
口をとがらす・・・不満のある顔つきをする
口をつぐむ・・・押し黙ること、何も言わない
口を塞ぐ・・・金品を与えたり、おどしたりして話させないようにする
口を閉ざす・・・何も言うまいとして沈黙する
口を慎む・・・余計なことを言わないようにする
口を結ぶ・・・固く口を閉じる、だまる
(このあたり、似ているけれどちょっとずつニュアンスが違いますね)

口を濁す・・・はっきり言わないで、あいまいに言う
口を拭う・・・1)悪いことをしていながら素知らぬふりをする、2)知っていながら知らないふりをする
口を濡らす・・・細々と暮らす、食うまでいかない
口を糊する・・・かつかつ暮らしをたてる
口説く・・・1)自分の意志に従わせようとする、2)くどくど述べる
口角泡を飛ばす・・・激しく議論する
口実・・・1)言い逃れや言いがかりの材料、2)いいぐさ、よく口にする言葉
口吻を学ぶ・・・他人の言ったとおりのことを自分も言うこと
口吻に上る・・・話題にのぼる
口吻をもらす・・・気づかないで口に出している
人口に膾炙する・・・人々の話題に上ってもてはやされ、広く知れ渡る
繕い口・・・1)とりなしごとを言うこと、2)ごまかし
天に口なし人を以て言わしむ・・・天には口がないから、何もしゃべらないが、その意志は、人の口を使って 言い知らされる。民の声は天の声
一口商い・・・1)一言で売買を決める商い、2)一言で諾否を決定すること
人の口には戸が立てられない・・・世間のうわさや評判は止めることはできない
目は口ほどにものを言う・・・言葉でうまくごまかしても、目に本心が表れる
良薬口に苦し・・・よくきく薬は苦くて飲みにくい。本当に自分のためを思ってしてくれる忠告は、ありがたいが聞くのがつらい

口に関する慣用句は多いですね。
当然ですが、おもに話すことと食べること、
食べることから派生して、
生計をたてていくことなどを示す場合が多いですね。
あとは不満やコミュニケーション関連の言葉が多い印象でした。