睡眠・認知症予防シンポジウム3

昨日の続き

4.特別講演2 信州大学スポーツ医科学講座 能勢 博先生
10歳若返る!「インターバル速歩」~その背景とエビデンス~

・ビデオ供覧:NHKニュース

・急速な高齢化⇒医療費↑↑
⇒国は面倒みきれない
=自分の身は自分で守れ

<体力>
H9年~13年:厚労省「1日1万歩を毎日歩こう」
⇒定着率は50%以下
⇒さらには、生活習慣病の症状は顕著ではなかった
⇒さらには、体力が向上していないことがわかった。

体力:30歳以降10歳加齢するごとに5~10%ずつ低下
そして、体力低下と医療費が非常に強く相関する。

<欧米型個別運動処方>
アメリカスポーツ医学会

まず歳代体力を測定
その70%以上の負荷の運動を、15分/日以上、4日/週以上実施
⇒5ヶ月で体力は10%以上向上、生活習慣病も10-20%改善する

しかし、この運動指針は普及しなかった。
・・・費用がかかるため

⇒インターバル速歩ではそれが可能に

<インターバル速歩>
個人ごとに、3分間ずつ
最大体力の70%以上の速歩と
40%以下のゆっくり歩きを交互に繰り返す。
5-10セット/日、4日/週以上

体力は歳代20%向上
生活習慣病の症状が20%改善
うつ症状と膝関節痛の症状がそれぞれ50%改善
医療費が20%抑制

継続率は94%とマシントレーニングより高かった。

マシントレーニングに匹敵する高架が1/4の費用で達成できた。

<慢性疾患=慢性炎症という考え方>

加齢・運動不足⇒ミトコンドリア機能の劣化⇒慢性炎症
慢性炎症が、
脂肪細胞で起これば⇒糖尿病
免疫細胞で起これば⇒動脈硬化⇒循環器疾患
脳細胞で起これば⇒認知症・うつ病
がん遺伝子に影響すれば⇒がん
になる。

それぞれの疾患の症状は違うが、
根本原因は加齢・運動不足であるという考え方・・・世界の潮流

<遺伝子レベルでのインターバル速歩の効果>
・炎症促進因子群のメチル化(不活性化)
・炎症抑制遺伝子群の脱メチル化(活性化)

インターバル速歩=炎症の抑制

<普及には?・・・松本市での成功例>
・コミュニティを作る
・健康推進トレーナーの育成
インターバル速歩を行って成功した人を抜擢
(3年以上の経験者+e-ラーニングで合格した人
⇒学問的には素人でも経験がある
引退したような人が多いので人件費が安くてすむ

<インターバル速歩のリスクは?>
関節痛などが悪くなるのでは?
⇒変形性関節痛の人で悪化↓人は4%の人だけ
半分の人は痛みが軽減。
腰痛でも動揺の結果。

それでも心配な人
⇒水中インターバル速歩
水中では浮力で足への負担↓
余分な水分(浮腫)も抜けやすくなる

<要介護の人にもインターバル速歩>
歩行補助器を使ってスタッフが補助
2ヶ月で10%体力↑
コミュニケーションがとりやすくなった

<インターバル速歩に食品を併用>
インターバル速歩終了後30分以内に牛乳を摂取
吸収されたアルブミンが血管内に水分を引きこむ
⇒血液量の増加
⇒汗をかきやすくなる
,⇒熱中症になりにくい身体に
(サッカー界では常識)

<その他の効用>
・冬にも強くなる:筋肉量増加により熱産生↑
・不眠の解消
・うつ傾向↓
・認知機能の改善