睡眠・認知症予防シンポジウム2

昨日のつづき

3.特別講演1 「睡眠で認知症予防」
東京女子医科大学名誉教授 大塚邦明先生

大塚先生は、僕が大学生のころ高知医科大学におられ、
先生の講義を聴いたこともあります。
時間医学の大家です。

人間の基本的な生活リズムは24時間。
(厳密には体内時計は25時間なのだだが、
朝起きて太陽の光を浴びることでリセットしている)

<病気には起こりやすい時刻がある>
たとえば心筋梗塞。
最も起こりやすいのは朝方。
これは寝ている間に発汗がすすみ
血液がドロドロになりやすいから。
もう一つ夕方にも心筋梗塞をおこしやすい時間帯がある。
こちらは血圧と感rんがあうそうです。

<身体には時計がある>
一つは脳の視床下部視交叉上核と呼ばれるところ。
ここが身体の親時計。
しかし、身体の各部にはいたるところにも実は時計がある。
特に腸には脳よりも400倍ものメラトニン(睡眠ホルモン)が出ている。

時計遺伝子と呼ばれる時間のまつわる遺伝子:
20数個がみつかっている(メインは6個)
こっらの遺伝子は自律神経系・内分泌系に働く。
時間遺伝子が低下すると生活習慣病が起こりやすくなる。
ただし身体の中で唯一時間を止めている細胞がある=生殖細胞。

身体には色々なリズムがある。
・1年のリズム
・1月のリズム
・3.5日リズム=1週間が7日と関連
・概日リズム=24時間(実は25時間)
・90分リズム=睡眠のリズム

リズム障害
・若い人は眠らない・眠る時間がない
・老人は時計遺伝子が働かない=不眠症

<睡眠と癌>
時計遺伝子が働かない人⇒不眠
⇒細胞の修復ができない⇒癌になりやすい

交代勤務の人は注意

睡眠は癌の種を摘み取る(遺伝子レベルで排除)
癌ができてしまったとしても、
睡眠がよければ免疫によって癌が排除される

深く眠れば皮膚のシミなども消える

<睡眠と記憶>
睡眠:記憶を定着させるため
・エピソード記憶は浅い眠りでも可能だが、
・意味記憶の定着には不快眠りが必要
⇒試験勉強をしたら眠ること

<時間栄養学>
・食べるのにも時計がある=腹時計
・食事は同じカロリーをとるのでも消費が違う
⇒夕方よりも朝方の方が熱産生が大きい
⇒ダイエット:何を食べるかではなくいつ食べるか

<腸:一番遅れている医学分野>
しかし、最近論分数が増加している
=いろいろなことがわかってきた
腸内フローラ⇒腸神経系に影響

ここにも睡眠が関与
不眠になると下痢しやすい