睡眠・認知症予防シンポジウム1

先日の日曜日は、名古屋で開催された、
中部大学生命健康科学研究所の宮崎総一郎先生が主催の
”睡眠・認知症予防シンポジウム4”に出席してきました。

毎度のことながら、僕の備忘録として載せておきます。
興味のない方はスルーしてください。

1.睡眠からアプローチする認知症予防(宮崎総一郎先生):総論
<現代社会の睡眠問題>
大雑把に
若い人:寝るヒマがない⇒睡眠不足
高齢者:寝られない⇒不眠症
交代勤務・24時間営業⇒リズム障害

<睡眠負債>
この言葉自体は30年前から言われているが、
最近ようやく浸透してきた。
寝だめはできない。
睡眠不足は負債であって、放置しておくと雪だるま式に増えていく。

<睡眠時無呼吸症候群>
他の疾患を引き起こす危険度
脳梗塞(3.1倍)、心筋梗塞(3.2倍)、高血圧(2.1倍)、
糖尿病(2.3倍)、認知症(2.0倍)

CPAP治療を行うことで、認知症発症を10年遅らせることができる。
ただ、減量やなんかでCPAP治療が中止できる人は3%程度。

<睡眠とグリンパ>
これは以前ブログでも書きました。
睡眠軽んずべからず!
睡眠と脳機能

2.睡眠時無呼吸症候群と認知症予防
産業医科大学耳鼻咽喉科頭頸部外科准教授 北村拓朗先生

睡眠時無呼吸症候群(OSA)は認知症を発症させやすい
⇒逆に認知症の人はOSAを合併しやすい
アルツアイマー病におけるOSA合併率は約50%(健常人の約5倍)

☆「CPAPを使わないと認知症になりやすい」と言っていいか?
⇒現状ではまだエビデンスが不足している。
ただし、眠気を伴うOSAは治療介入の有効性が示唆されちる。

☆認知症患者のOSAは積極的に治療すべきか?
すでにOSAになってしまっている人について
⇒アルツアイマー病ではOSAに罹患率が高く、
CPAPによって病態の進行を遅らせることができる。
条件が整うなら実施すべき。
(実際には結構難しい)