本:風邪の効用3

潜在意識が治ろうと思わないと、
いくら意思の力で努力しても治らない。
潜在意識に働きかけた治療を行う必要がある、
あるいは、そうした潜在意識というものを理解した上で、
治療は行うべきであると。

これは、どんな病気にでもあり得ることかもしれません。

その潜在意識に働きかけるにはどうすればいいか?
筆者は空想の方向づけが一番大切な技術だといいます。

ちょっと、ここが何のことやら、今ひとつわかりにくいのですが。

筆者は、次のようなたとえ話をします。
子どもに「しっかり勉強しろ」と言うことは、
子どもには「おまえは馬鹿だ。駄目だ。」という
メッセージを送っていることになるのだと。そうすると、
自分は駄目なやつなんだという空想の方向性ができてしまう。
一度方向づけされると、意思の力ではどうにもできなくなるのだと。
「しっかり勉強しろ」と言う度に
どんどん子どもは親の目を盗んで遊ぶようになると。

じゃあ、どうすればいいのか。
実は、ここが曖昧にしか書いていないのでちょっと困るのですが。

この本が「風邪の効用」という本で、冒頭の方に、
風邪を引くと体はむしろ整い、疲労していた部分が改善される、
だから風邪は治療するべきものではなくて、
経過するものだ、と書かれています。

筆者は、
風邪は体の歪みを治してくれるいい機会だといいます。
だから「風邪をひいたら活用してやろう」、
そう待ち構えていると逆に風邪を引かないものなのだと言うのです。

なんか、今ひとつモヤモヤしてすっきりしませんね。

まあ、ちょっと考えてみました。
以前、解決志向型ブリーフセラピーの話をしました。

解決志向型ブリーフセラピー(SFBT)

問題点が解決されたあとのことを、
できるだけリアルに思い浮かべてもらうと、
不思議と症状が軽くなってくるといわれています。
これは、まさに空想の方向づけに似ているなと思うのです。
症状がよくなった時のイメージができていると、
問題点が勝手に良い方向に向かって動き出すのだと。

だからこの、症状が改善した時のイメージは、
「・・・したい」という願望系ではなく、
「・・・している」という、現在進行形、もしくは
「・・・できました」という完了形で
記述すべきと言われています。
そうでないと、願望系では潜在意識は、
願望がかなっていない状態だと感じてしまうからです。

何か、たかだか風邪お話から、
妙な話になりました。

これを書き上げる間に、僕の声も大分ましになってきました。

この「風邪の効用」という本。
一見、ぶっとんだ本ですが、なかなか面白い本です。
先の心理的機構以外にもいろいろと面白いことが書いてあります。

最後に一つだけ追加。

風邪を引いて発熱したあと、熱が下がってくる時期があります。
この時、平熱より少し低くなる時期があるそうです。
この平熱より下がった時期が一番大切なんだと筆者はいいます。
普通、熱が下がると、これ幸いに無理をしがちです。
ところが、この時に体を動かしすぎると、
おもわぬ合併症を引き起こすのだそうです。

本当かどうか、今まで考えたことがなかったのですが、
風邪を引くと長引いて気管支炎や肺炎とかになりやすい人は、
ちょっと注意してみてください。