乗り物酔い防止のメガネ

先週は、木曜日に大阪で開催された日本めまい平衡医学会、
土曜日は京滋めまいカンファレンスと、
めまい三昧の週でした。

学会の話をまとめるのには少し時間がかかるので、
めまい関連の話題を一つ。
といっても、今回の学会・勉強会とは直接関係ありません。

以前、知人から「乗り物酔いに効くメガネがあるよ」と教えてもらいました。
ネットで検索してみると、テレビでも紹介されていた様ですね。

ちょっと面白そうだったので買ってみました。
これです。
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メガネのレンズの部分の周辺に青い液体が途中まで入っていて、
前方だけでなく側面にもついています。
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体のバランスというのは、
眼からの情報(視覚)と、
耳(三半規管・耳石器)からの情報(前庭覚)と、
足の裏や骨格筋からの情報(体性感覚)の3つが脳に入り、
統合されて空間や自分の置かれた状況を把握し、
それに見合った体の動きをすることで成り立っています。

このうちの、視覚からの情報とその他の情報が一致しない場合、
脳に混乱が生じて乗り物酔いが生じると言われています。

周囲がどんなに動こうとも、
重力に対して自分の頭がどのような位置にあるかを、
体感的に脳が把握できていれば、この脳の混乱は鎮まってきます。

酔いやすい人は、「できるだけ遠くを見なさい」とか、
海でなら、「水平線を見なさい」と言われるのはこのためですね。
水平を意識することで、脳が自分の定位置を理解するわけです。

このメガネの下の方に青い液体が中途半端に入っているのは、
水平を意識させる工夫なわけです。
いわば水平水準器ですね。

そして、この身体のバランスに関する視覚情報は、
視野の周辺からの情報が重要なんだそうです。
そのため、このメガネには横にもこの水平水準器がついているのです。

最近では、テレビゲームも進化して、
バーチャルリアリティー(VR)を追求したすごいものが出来てきています。
このVRのゲームはそのままでは結構酔いやすいらしいのです。

それを防止するためには、
動いていないのに動いている様に感じさせる必要があるので、
乗り物酔いの防止とは逆に
視野の周辺からの情報を遮断することが必要なんだと。
だから、VRのゲームはゴーグル型になっているんですね。

念のために言っておきますが、
今回、このメガネを紹介しましたが、あくまで話のネタでして、
特別、買いを推奨しているわけではありません。

効果の程はどうなんでしょう?
amazonでは結構☆は高かったようですが。
乗り物酔いの原因については、上に述べましたが、
原因というか、修飾因子は他にも、
過去の酔った記憶であったり、ニオイや、空腹・満腹なども影響します。

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↑それにしてもこのメガネ、掛けるにはちょっと勇気がいりますね。
値段も1万円以上するので、
買うのにはちょっと躊躇しますね