僕が医師になるまで18

もうしばらくお遍路さんのお話を。

大学2年の夏休みだったかに、
一念発起してお遍路さんをしてみようと思い立ちました。
とはいっても、前にも書きましたが白装束は着ません。

88ヶ所は無理にしても、
とりあえず1番札所からいけるとこまで行こう!
そう思った9月の初め(だったと思うのですが)、
僕は徳島に行きました。

四国にいながら徳島には行ったことがありませんでした。
当時、関西から高知に行くには、、
岡山経由で宇野線⇒宇高連絡船⇒高松⇒高知というルートか、
大阪南港からフェリーにとって、
夜中の間に外海を経由して高知に着く方法を使っていました。

ですので、徳島はほとんど行ったことのない土地。
少々不安を持ちながらも、阿波池田で乗り換えて、
徳島の地に降り立ちました。

・・・と書きましたが、
実はこのあたりのことがほとんど記憶にない。
少しでもたくさんのお寺に行けたらいいなと思っていたので、
確か、前日から徳島に乗り込んだはずなのですが、
どこに泊まったかあんまりはっきり覚えていません。

なんか、眉山のふもとの徳島大学の医学部のそばあたりで、
ユースホステルみたいなところに泊まったのではないかと思うのですが、
google mapで探してみても、ありませんね。
徳島駅からそこまでも、どうやって行ったのかも覚えていません。
ま、いいんですけど。

さて、翌日あさ一番で、まずは霊場1番札所霊山寺。
地図から推測するに、
たぶん徳島駅からJRで坂東駅という駅まで行って歩いたと思います。
何はともあれ、ここからお遍路さんは始まりです。

まずは、ご本尊様とお大師様にお参りです。
と言っても、うちの家は浄土真宗だったので、
般若心経をまったく唱えることができません。
(浄土真宗では正信偈(しょうしんげ)というお経はよみますが、
般若心経は唱えません。)

ま、そこは、
隣で唱和されている団体さんの般若心経に乗っかって口ずさんで、
気持ちで拝みます。

そして、納札(おさめふだ)というのをお納めしてから、
納経帳(今で言う御朱印帳ですね)を買って、
納経所に行き、お納経を描いていただきました。

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今でも納経帳は大事に保管しています。

1番札所 霊山寺 釈迦如来様

以下、納経帳に次々にお印を書いてもらいます。

2番札所 極楽寺 阿弥陀如来様
3番札所 金泉寺 釈迦如来様
4番札所 大日寺 大日如来様
5番札所 地蔵寺 延命地蔵様
6番札所 安楽寺 薬師如来様
7番札所 十楽寺 阿弥陀如来様
8番札所 熊谷寺 千手観世音菩薩様
9番札所 法輪寺 涅槃釈迦如来様
10番札所 切幡寺 千手観世音菩薩様

当時は携帯もなかった時代だし、
カメラも持っていなかったんだと思います。
当時撮った写真を見た覚えがありません。
今はいいですね。
インターネットで調べたらすぐにお寺の写真なども出てきます。

こんなお寺だったかな?
一つ一つ、ネットで検索してお寺の画像を見たのですが。。。
全然覚えていない!
かろうじて印象に残っているのは、安楽寺の門でしょうか。
いまだったら、たくさん写真を撮るのになぁ。

そんな中、すごく印象に残っているお寺がありました。
それは、5番札所地蔵寺の奥の院、五百羅漢。
ひっそりとした回廊にずらりと並ぶ羅漢さん。
初めてこれを見た時には度肝を抜かれました。

ただね、記憶ってあやふやなものですね。
今ネットで検索して見てみると、結構カラフル!
僕の頭の中の五百羅漢さんは素朴なものだったのですが。
ひょっとしたら、彦根天寧寺のそれと
記憶が混ざってしまったのかもしれません。

それにしても、もう一度見てみたい寺院の一つです。

さて、こうして何とか1日で10番札所まで行くことができました。
この日、ずっと徒歩で回ったのですが、
途中で、近道があるというので、
あぜ道の様な道を歩いていた時のことです。

足元を褐色の動くものが・・・
危うく蛇を踏むところだったのです。
ヒヤリとしながら慌てて走り出したのをよく覚えています。
今となってはそれもいい思い出です。