自律神経系についての復習2

大学時代に生理学で習ったと思うのですが、
ところどころ抜け落ちています。
やはり、自分の備忘録ですので、
興味のない方は飛ばしてください。
自律神経生理学
忘れていましたが、参考にした本は、

『やさしい自律神経生理学~命を支える仕組み~』
鈴木郁子 編著,中央医学社

です。結構わかりやすい本です。

5. 交感神経遠心路
第1胸髄~第2腰髄⇒交感神経幹⇒効果器
全身に分布しているが、
体性神経ほど厳密ではないが、およその分節性がある。
交感神経幹ではアセチルコリンによる情報伝達が行われるが、
一部SIF細胞と呼ばれる階税ニューロンが反応を修飾。

6.副交感神経求心路
副交感神経は、
頭部では毛様体神経節・翼口蓋神経節・顎下神経節・耳神経節に
胸腔・腹腔・骨盤腔では、壁内もしくは効果器のすぐ近くで
神経節を形成。このため副交感神経の節後ニューロンは短い。

脳幹に起始する副交感神経
・動眼神経III:毛様体筋・瞳孔括約筋
・顔面神経IV:涙腺・鼻腔や口蓋の粘膜腺・顎下腺・舌下腺
・舌咽神経IX:耳下腺
・迷走神経X:内臓

仙髄に起始する副交感神経
・骨盤神経:直腸・膀胱・生殖器

7.受容体
ニューロンからは神経伝達物質が放出されるが、
シナプスや効果器には、
その神経伝達物質に対応する受容体receptorが存在する。

受容体を刺激する薬剤を作動薬agonistと呼び、
抑制する薬剤は遮断薬blocker、拮抗剤antagonistと呼ぶ。

神経伝達物質の放出が長期にわたって減少する場合には、
受容体の数は増加する(up-regulation)。
逆に放出が長期にわたって増加する場合には、
受容体の数は減少する(down-regulation)。

8.アドレナリン受容体
アドレナリンやノルアドレナリンが作用するアドレナリン受容体は、
種々の自律神経作動薬や遮断薬に対する親和性の違いによって、
α受容体とβ受容体の2つに分類される。
さらに、α受容体はα1、α2、に分けられ、
β受容体はβ1、β2、β3に分けられ、少しずつ作用が異なる。

9.アセチルコリン受容体
大きくニコチン受容体とムスカリン受容体がある。
ニコチン受容体は神経節に存在し、
ムスカリン受容体は効果器に存在。
ムスカリン受容体はさらに、
M1、M2、M3受容体に細別される。

10.新しいタイプの神経伝達物質1
主に中枢神経系において、
アセチルコリ(Ach)ンにもノルアドレナリン(NA)にも
反応しないものが存在することがわかってきた。
γ-アミノ酸酪酸(GABA)
サブスタンスP(SP)
血管作動性腸ペプチド(VIP)
など。

11.新しいタイプの神経伝達物質2
自律神経系にも、AchやNAでもない神経伝達物質を放出する
非アドレナリン・非アセチルコリン作動性神経(NANC神経)も存在。
ATP(アデノシン3リン酸):プリン神経。受容体はプリン受容体。
NO(一酸化窒素)

また、最近では神経ペプチドと呼ばれている
新しいタイプの神経伝達物質が
自律神経の多くの作用に関与していることが報告されている。
上記の血管作動性腸ペプチド(VIP)もその一つであり、その他にも、
ニューロペプチド(NPY)
エンケファリン(ENK)
ソマトスタチン(SOM)
コレシストキニン(CCK)
などなど、たくさんあるようです。

⇒名前の聞いた覚えがあるものから、
全く聞いたことのないものまでいろいろ。
これはもう覚えられません。

もう一つの新しい神経伝達系がNO(一酸化窒素)である。
NOは血管内皮細胞という、血管の一番内側の細胞で作られ、
血管の弛緩に関係する。

この血管内皮細胞は、動脈硬化症とも強く関連があります。