自律神経系についての復習

来る5月の日本耳鼻咽喉科学会総会で、
ポスター演題を出すことにしました。
まあ、そんな大した内容ではないのですが、
めまい患者さんの自律神経機能についての考察です。

内容としては、ずっと昔、
1980年代にすでに報告されているようなものの
焼き直しではあるのですが、
新しい器械で比較的簡単に計測できるようになったので、
これを用いて報告することにしました。

そこで、まずは自律神経についての復習です。
・・・って、今頃そんなことをしていていいのか!
って言うツッコミはご遠慮ください。
とりあえず、これは自分の備忘録ですので
興味のない人は読み飛ばしてください。

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1.神経系の分類

人間の身体の神経系は大中枢神経系と末梢神経系に分かれる。
・中枢神経系には脳と脊髄がある。

末梢神経系は体性神経系と自律神経系の2つの系がある。

体性神経系には
求心性神経として感覚神経が、
遠心性神経として運動神経がある。

自律神経系には
求心性神経として内臓求心性繊維が、
遠心性神経として交感神経と副交感神経がある。

⇒ごく簡単な仕分けですが、もう忘れていることがありますね。
自律神経系というのは、
なんとなく遠心性神経だけだと思ってました。
そりゃ、内臓の状態を無意識に把握している神経系がないと
体調は維持できませんね。

2.交感神経系
おもに胸髄・腰髄から節前ニューロンがでて、
脊髄のすぐ横(交感神経幹)で神経節をつくり、
ここでシナプスを変えて節後ニューロンが効果器に達する。
この神経節での神経伝達物質は主にアセチルコリン。
節後ニューロンから効果器への神経伝達物質はノルアドレナリン。

3.副交感神経系
主に脳幹部から節前ニューロンが出て、
効果器のすぐ近くで神経節をつくり、
ここで節後ニューロンに変わって効果器に達する。
シナプスでの神経伝達物質はアセチルコリンで、
節後ニューロンから効果器への情報もアセチルコリン。

これに対して体性神経は脊髄に神経細胞があり、
基本的にはニューロンが直接効果器にまで達する。
この時の情報伝達物質も主にアセチルコリン。

4.末梢神経系遠心路の内臓への支配形式
自律神経系遠心路の場合、
効果器(たとえば平滑筋)に対しては、
交感神経と副交感神経の二重支配による拮抗支配で調整。

体性神経(運動神経)の場合、
効果器(骨格筋)には、促進的に働く神経支配のみ。
骨格筋の収縮と弛緩は
運動神経の活動の有無(それは中枢で制御)で調節している。

⇒これ、当たり前のことと思っていましたが、
自律神経系の場合、
瞳孔散大筋・副腎髄質・脾臓・立毛筋・汗腺・大部分の血管では、
交感神経のみの支配、
瞳孔括約筋は副交感神経のみの支配なんですね。

学生の時に生理学で習ったはずなんでしょうが忘れていました。

ここで気になるのは、
「大部分の血管は交感神経の支配しか受けていない」
ということですね。

なんとなく、
リラックスすると副交感神経が優位になって、
血管が拡張して血流がよくなる、
と考えていましたが、血流をよくするには、
副交感神経を活性化させるのではなく、
きちんと交感神経を緩める必要があるということですね。

もちろん、これは末梢の血管の話で、
副交感神経が働かないと、
心臓はペースダウンしてくれないわけですから、
どちらか一方のみでよいということではありません。