春の畑仕事

学生の皆さんは春休みですね。
先日の日曜日、僕は田舎に帰っていました。

僕が学生だったころ・・・小学生のころからずっとそうでした。
この3月4月というのは畑の農作業が忙しくて、
春休みというと、いつも畑の手伝いでした。
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僕の故郷は虎姫(現長浜市)というところで、
気候的には日本海側気候が残っている地域です。
最近は暖冬の年が多くて、
長い間雪が畑に残るということもほとんどなくなりましたが、
学生のころは、冬はちゃんと寒くて、雪もたくさん積もりました。

そうすると、春が来て、
さあ、畑をしようと言うときに土が重いんです。
雪の重みでしっかり踏みしめられており、結構土が硬いのです。
ですので、春先の僕の仕事は、畑の土を起こして耕すことでした。

今は手押しの耕耘機のようなものがありますが、
当時は全部スコップで土を掘り起こしていました。
自分の家で食べる野菜を作るだけの畑でしたが、
それでも結構な広さがありました。
どれくらいの広さでしょう?
10m×15mくらいはあったでしょうか。

最初始めるまでは、絶望的な気持ちになります。
「これを全部起こすのか・・・」
ため息ついてそう思いながらも、
とりあえず地面にスコップを入れて行きます。

とりあえず黙々とすすめていくとなんとなく調子が出てきます。
そのうち、日によっては鼻歌でリズムをとりながら、
地面の土を掘り起こしていきます。

これが今から考えると結構心身にいいんですよね。
そのうちに無心になれるというか。
春のうら暖かな中で、黙々と作業をしていると、
なんか調子が良くなります。

欧陽脩という昔の中国の人が、
『アイディアが閃くのは、「馬上、枕上、厠上」』
と言ったと聞きます。
まあ、これに入浴中なんかもアイディアが閃きやすいといいますね。
これらは、気持ちがリラックスしている時ということなんでしょう。
馬上というのは、馬に乗って揺られている時で、
今なら電車に乗っている時なのかもしれません。

今は電車の中では、すぐにスマホを取り出して、
メールのチェックやら、動画を見たり、
あるいはゲームをしたり、電子本を読んだり・・・
以前に比べて、スマホ・携帯を見ている人が多くなりました。
ま、それも有効な時間の使い方かもしれませんが、
「ガタンゴトン」という電車のリズミカルな音を聞きながら、
ボーっとするのも、意外にいいのかもしれません。

いずれにしても、
「気持ちがリラックス」というのは、
現代人が大切にしたい心身条件ですね。
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うちの畑は高時川の河川敷にあります。
畑作業中、時々腰を伸ばすと、
雪解け水で少し水量が多くなった川の流れが見えます。
川の流れを意識すると、川のせせらぎの音も聞こえてきます。
さらに、天気のよい日はいろいろな鳥の鳴き声も聞こえてきます。
トンビ、ウグイス、スズメ
その他にも名前はわからないけど、いろいろな声が聞こえてきます。

この、「名前がわからない」というのが、最近残念でたまりません。
鳥のさえずりが聞こえて、
「なんか鳥の鳴き声がするなぁ~」というのと、
「あ!○○が鳴いている!」と感じるのでは、
人生の楽しみ方が倍くらい違う様な気がします。

鳥の姿形と鳴き声や名前を覚えるのは今からもできること。
最近はDVDやインターネットでもいろいろな資料があるので、
今年は是非たくさんの鳥の名前と声を覚えたいなと思います。