餅つきと春の匂い

本日4月1日はエイプリルフールです。
エイプリルフールの起源については諸説あるようですね。
根が正直者だから、なかなか気の利いたウソは思いつきません。
(という、ウソを言った・・・というつまらない書き出しでした。)

さて、4月1日は、僕の田舎では毎年神社のお祭りの日です。
といっても、特別屋台やテキ屋が出て
賑やかになるというわけではありません。

おそらく、その年のお米の豊作を祈願するお祭りなのでしょう。
まあ、お宮さんでは、何かしらの行事をされているのでしょうが、
子どもだった頃の僕達にはあまり関係のないことでした。

それでも、僕が小さい頃には、4月1日はお祭りやからと、
父母が家でお餅をついてくれていました。

白いお餅とヨモギを搗きこんだ緑のよもぎ餅。
小さな頃は食紅を用いて赤いお餅も作ってたなぁ~。
そしてこれらのお餅にはあんこを入れます。

小さな頃の僕の役割は、
ヨモギを堤防に行って採取してくることでした。
ヨモギは普通に土手に行ったら生えているので、
採取するのにそれほど苦労はしませんが、
それでも、道端だと犬のおしっこがかかっているかもしれないので、
少し入ったところのものを採ってこなければなりません。
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結構かごに一杯とったつもりでも、
洗って茹でる(蒸す?どっちだろ?)と
ほんの一握りになってしまいます。
まあ、それでも、握りこぶしくらいの量ができたら、
それを蒸した餅米と一緒に搗きこんでいきます。

小さい時には臼と杵で搗いていたのですが、
小さな頃には、餅搗きって、やってみたいじゃないですか。
ある日、父親がある程度搗いてこなれたところで
搗くのを替わってくれました。

そしたら、杵を全然うまくコントロールできないんですね。
重くてフラフラして、臼の横の方にぶつけてしまう始末。
その時は、父親の偉大さを感じたものでした。

今、餅搗きのころの事を頑張って思い出して
この文章を書いていますが、
ふっと、匂いについての記憶がよみがえってきました。
餅米を蒸した匂い、
中に入れるあんこの匂い、
(あんこにはわずかにお酒も入れるでしょう)
そして、ヨモギの匂い。
これらが、合わさって春の祭りに香りを添えます。

そういえば、
神社のお祭りと言っても、
屋台もなにもないお祭りとは言いましたが、
境内には大きな太鼓と鉦(カネ)が置いてあって、
遊びに来た子ども達は、その太鼓や鉦を自由に叩いていいのでした。
ですので、この日は、太鼓や鉦の音が神社の方から
ドンドンドンドン・・・カンカンカンカン・・・

暖かな風に乗ってこうした音が聞こえていたのを、
今ふと思い出しました。
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お餅
今日はこんな昔話をしましたが、
偶然、嫁さんがお餅を買ってきてくれてて、
お昼休みに食べました。
嫁さんはブログ読んでいないはずなんだけど・・・。