後遺症オンライン研修会:平畑先生講義2

前回からの続き

次に倦怠感についてお話されました。
英国の大規模調査による報告:
・感染初期の症状が重いと呼吸器系の後遺症が出やすいのに対し、
・感染初期の症状が軽いと倦怠感系の後遺症がでやすいらしい

また、類似した病態にである筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)との
関連についてもお話されています。
ME/CFSは労作後の極端かつ遷延する体調悪化を特徴とし、
睡眠障害、高次脳機能障害、自律神経障害などを認める難治性疾患ですが、
SARSやMERSの感染後のME/CFSはよく知られているそうです。

Long-COIVDの患者さんの一部は、
このME/CFSに移行してしまう可能性があるとのことです。
ここで、一番気をつけなければいけないのは、
PEM(Post-exertional malase)という状態なのだそうです。
これは、軽い労作後や、ストレスのあと、
5~48時間後に急激に強い倦怠感他の症状が出てしまう状態をいいます。
きっかけは近所への買い物やパートナーとの喧嘩でも生じるそうです。

Long-COIVDの患者さんのうち、PEMがある場合は要注意。
少しの無理で急激に寝たきりの方向に行きがち。
PEMがない場合は、まだ少し余裕があるが、
「だるくなること」を続けているとPEMが出てくる場合があるそうです。
PEMがみられたら運動療法の実施は避ける必要があるそうです。

Long-COIVDと思われる場合は、
まずは「だるくなることは絶対にしない」ことだと平畑先生は言われます。
「自分のペースで、だるくならない範囲で身の回りのことをする」ことを
推奨されています。

では、どれくらいの間無理をしないようにするかですが、
準寝たきり以上の状態になる方のほとんどは、
感染後2ヶ月以内に、準寝たきり以上になっていることから、
COVID-19発症後2ヶ月間は、絶対に無理をしない、させないことが
大切なのだのだそうです。

続きは次回