ポリヴェーガル理論とオキシトシン2

前回、ポリヴェーガル理論を考える場合、
腹側迷走神経複合体が活性化されるには
安心・安全を感じる必要があり、
そこにオキシトシンが一役買っているのではないかという話をしました。

そこでもう一度ポリヴェーガル理論の本を取り出してみました。

『「ポリヴェーガル理論」を読む ~からだ・こころ・社会~』 津田真人著,星和書店

以前にもこの本の名前だけ紹介したことがありました。
ポリヴェーガル理論入門7 疑問点1

この本、とんでもない本です。
迷走神経を中心に関連する脳神経の、
解剖学、発生学、生理学などがぎっしりと詰め込んであって、
ポリヴェーガル理論のバイブルというか
むしろエンサイクロペディアとも呼べる様な
かなり詳しい内容になっています。

僕も表紙と本のタイトルこそブログに出しましたが、
読むのに中々骨が折れました。
解剖・発生・生理などの知識がないとかなり時間がかかると思います。
この本の紹介をどうしようかなと考えながらはや2年。

そうしたら、著者の津田先生がもう少しかみ砕いた本を書いて下さいました。
『ポリヴェーガル理論への誘い』 津田真人,星和書店

こちらの方がかなり読みやすいと思います。
その上、びっくりしたのが、しっかりアップデートされていて、
上咽頭擦過療法や鼻うがいについてまで言及されています。

この 『ポリヴェーガル理論への誘い』 の第9章に
オキシトシンと迷走神経についての考察が出てきます。
(もちろん先の難しい方にも第7章に書いてあります)

今までポリヴェーガル理論について、おおまかに
「腹側迷走神経」=安心・安全感を持ってのリラックス
「交感神経」=危険に対する闘争&逃走
「背側迷走神経」=生命の危機に対する凍りつき・シャットダウン
という3つの身体の反応があるとお話してきました。

そしてオキシトシンはこの腹側迷走神経の安心・安全感に
重要な役割を担っているわけです。
しかし、実はオキシトシンは
腹側迷走神経にだけ影響を与えているわけではない様なのです。

次回に続く