後鼻漏12 後鼻漏に関する記事を終わるにあたって 

さて、長々と11回にわたって後鼻漏について書いてきました。
だからと言って、
僕は後鼻漏の専門家というわけではありません。

後鼻漏は、耳鳴りと並んで治療に難渋する症状の一つです。
後鼻漏の治療は、ここまで書いてきたように、
中々一筋縄では行きません。

早い段階の副鼻腔炎であれば抗生剤、
純粋な慢性副鼻腔炎であれば、マクロライド少量長期投与、
アレルギー関与であれば、抗アレルギー剤、
慢性上咽頭炎には上咽頭擦過療法、
逆流性食道炎の関与が疑われればPPI、
それに加えて、いろいろな漢方薬を使用して、
なんとかやっています。

それでも中々治療に難渋する場合もまだまだあります。
『知られざる後鼻漏ー花から始まるその不快感の正体』 呉孟達, 幻冬舎
この本を読むことで、
いくらか僕の頭の中も少し整理された様にも思います。
まあ、だからと言って、全てを自分で解決することはできません。

運動性後鼻漏感が疑われば脳神経内科の先生に診てもらったり、
放射線科でMRIでラクナ梗塞の有無や程度も
調べてみる必要があるかもしれません。
「副鼻腔炎ではない」と断言するにはCT(またはMRI)も必要です。
あるいは高位の医療機関の耳鼻咽喉科や消化器内科で、
嚥下機能検査や上部消化管内視鏡(胃カメラ)などを
してもらう方がいいこともあると思います。
また、更年期障害なら婦人科、
うつ傾向や心気的傾向が強ければ、心療内科や精神神経科にも
相談しなければならないかもしれません。

まあ、それでも、
そうした交通整理の役目ができたらいいかなとも思います。
後鼻漏でお困りの場合は、こうしたことを考慮して、
一つずつ可能性を絞って治療を受けてみてください。
当院ブログがお役に立てれば幸いです。