後鼻漏2 真性後鼻漏1 急性後鼻漏

後鼻漏について今日も考えてみます。

参考図書は、
『知られざる後鼻漏-鼻から始まるその不快感の正体』 呉孟達, 幻冬舎
ですが、自分なりにアレンジしています。

本日は真性後鼻漏について。
これは、本当に鼻汁が鼻からのどに下りてくる状態です。
筆者の呉先生によれば、後鼻漏全体の58%だとか。
僕はもう少し少ない印象を持っていますが、
自分で統計をとったわけではないのでわかりません。

この真性後鼻漏は、
炎症性非炎症性に分けられ、
さらに状態が持続すると変性性の状態となります。

このうち多くは炎症性疾患です。
その炎症性疾患としては、
鼻腔の炎症と副鼻腔の炎症に分けることができますが、
鼻腔だけが問題になることは少なく、
多くは副鼻腔の炎症を伴います。

むしろ分類としては、
場所よりも時間経過や炎症の種類により、
急性、慢性、変性性とに分けることが肝要です。

まずは急性後鼻漏
多くは急性副鼻腔炎で、発症から4週間以内のものを言います。
ごく初期はウイルス性で、水様性/漿液性の急性後鼻漏。
ここでよくなる場合は9割が治癒するそうですが、
このあと多くが細菌性の炎症に変わります。
こうなると膿性/粘膿性の急性後鼻漏となります。
小さな子どものいらっしゃるお母さんがよく罹りますね。
子どもからもらうのでしょうね。

原因菌としては、
肺炎球菌25%、インフルエンザ菌15%、
黄色ブドウ球菌10%、モラクセラ・カタラーリス6%。
この時期に適切な抗菌剤が投与することがポイントになります。

4週間をすぎたものは遷延性と呼ばれ、
3ヶ月を過ぎると慢性に移行します。
この4週間の間に炎症を沈静化させるのが
急性後鼻漏治療のコツだそうです。

急性後鼻漏では、もう一つ気をつける疾患があります。
アレルギー性鼻炎です。
通年性のアレルギー性鼻炎は、どちらかと言えば慢性ですので、
ここでは花粉症ということになります。

花粉症は水様性の後鼻漏でほとんどは一過性です。
ただし、幾多のシーズンを経ると
粘性の後鼻漏に移行する場合があります
微細な持続性炎症が継続することで、
粘膜が後述の変性性に移行する危険があるそうです。
症状が軽快しても、
抗アレルギー剤などを少し長め(2週間ほど)に
服用しておく方がいいそうです。