本:体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!1

『体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!』 池谷俊郎, 三笠書房
WS000006

池谷先生の本については、
以前このブログで取り上げました。
本:「しなやかな血管」で若返る!

その血管を専門とされている池谷先生が、
血管の老化も結局炎症が原因だった
という切り口でお話をされたのがこの本。

以前、
睡眠・認知症予防シンポジウムを聴きに行った時に、
インターバル速歩の能勢 博先生が講義の中で、最近は、
慢性疾患=慢性炎症
という考え方があると聞いていました。
http://www.itaya.or.jp/?p=3372

この本には、そこのところが詳しく書かれています。

炎症には「いい炎症」と「悪い炎症がある」:
いい炎症=急性炎症
⇒発赤、発熱、腫脹、疼痛。組織の傷を治す。

悪い炎症=慢性炎症
⇒わかりやすい症状のないまま、だらだら続く、くすぶり炎症。
⇒やがて大火事になる。

この慢性炎症は、全身に飛び火する。
歯周病⇒糖尿病というのはすでによく知られている。

老化と体内の酸化、炎症は密接な関係。
老化細胞からは炎症促進物質が分泌⇒炎症⇒疾患・老化↑
酸化⇒細胞が変化⇒老化
炎症と酸化はワンセット
炎症を起こしているところからは活性酸素が↑

そして、酸化・炎症・老化に加えて最近はもう一つ:
「糖化」に注目されている。
糖化反応(メイラード反応)とは、
ブドウ糖(糖質)がタンパク質と結合して、
タンパク質が篇s婦負し、「AGEs(終末糖化産物)」という
老化物質を産む反応。

糖化⇒例:コラーゲンのしなやかな部分が糖化タンパクに変わる
⇒皮膚のしわ・たるみの原因に

また糖化によってAGEsができると活性酸素が生まれ酸化ストレス↑
⇒また炎症が始まるきっかけに

というわけで、慢性炎症⇒慢性疾患として、
血管内部の小さな傷から慢性炎症⇒動脈硬化⇒心筋梗塞・脳梗塞など
腸の慢性炎症⇒潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がんなど
遺伝子に慢性炎症の影響⇒がん
脳に慢性炎症⇒セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの減少⇒うつ
脳でアミロイドβの蓄積で弱い炎症⇒神経繊維の萎縮⇒認知症
皮膚のバリア機能低下で炎症⇒アトピー性皮膚炎
鼻と目の粘膜の慢性炎症⇒花粉症
気管支の慢性炎症⇒ぜんそく

とまあ、こんなふうに色々な病気が
慢性炎症でひきおこされるのだそうです。

続きはあす