展覧会『江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで』2

第2章:耳鳥斎(にちょうさい)という画家の特集。
目などもほとんど点で表されていて、
サササッと描いた絵の様に見えますが、
表情豊かで思わずニヤッと笑えてきます。地獄絵巻きがあるのですが、怖さはほとんどなし。
地獄に落ちた歌舞伎役者が無理矢理大根をたべさせられています。
「大根役者」という言葉はこの時期からある様です。
それにしても、なぜ「耳」鳥斎なんでしょう?
耳鼻咽喉科医としては気になるところです。

耳鳥斎については下のブログでよくわかります。
ゆるカワ地獄が面白い 200年前の奇才絵師・耳鳥斎の厳選32作品を紹介
第3章は葛飾北斎。
北斎の絵はこれまでにも結構何回も観てきました。
今回のブログを書くにあたって、何回くらい観たかなと思って、
昔買った北斎展の図録を探してみたら、それだけでも4冊ありました。どの展覧会で観たのか定かではないのですが、
北斎漫画と称した冊子を何回か見たことがあります。
そのとき、僕は、今のクールジャパンの中心をなす、
アニメや漫画というのは、この人に始まるんだなと思っていました。

しかし、今回の展覧会で、
鳥羽絵や耳鳥斎などから北斎に受け継がれた受け継がれた
ものなんだなということがわかりました。

第4章は歌川国芳。
国芳については以前、
『ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞』
『ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞』2
で作品について書きました。今回は、「金魚づくしシリーズ」という9枚の絵が来ていて、
これが今回の展覧会の目玉になっています。
これが超カワイイ!
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その他、スズメやネコ、カエルなどを主人公にした絵もいいですよ。

第5章は滑稽名所。
江戸や浪速をはじめ全国各所でのドタバタを絵にしたもの。
橋でひっくり返ったり、犬に追いかけられたり、
中には上でおしっこしていて下を通りかかった人がひっかぶってたり。
まあ、ちょっとベタですが笑いのツボの原点ですね。
第6章は河鍋暁斎。
幕末から明治に生きた画家で、
『暁斎鈍画』『暁斎酔画』に描かれた絵は北斎漫画に似ています。これに対して、
色刷りの絵の方は、浮世絵の雰囲気を残しつつ、
明治以降の雰囲気が出ています。
それこそ、大昔、僕が幼少時に遊んだメンコメンコを思い出しました・・・
というのは言い過ぎかな。