3/17京滋漢方セミナー3

もう少し京滋漢方セミナーの講義メモを

<認知症>
認知症の簡単な診方
1)前頭葉機能:グーパー
左右の手でグーとパーを一つずつ作ってもらって交互に繰り返す
2)頭頂葉機能:鳥と狐
手でハトの形(影絵でやったヤツ)ができるかどうかをみる。
同様に手で影絵のキツネの形を作ってもらう。
そして両手の狐を指同士(人差し指と人差し指、交尾と小指)を合わせる。
次に180度捻って人差し指と小指で合わせてみる。

認知症の中核症状(認知機能障害)と周辺症状(BPSD)
1)中核症状(理解・判断力障害、記憶障害)
⇒抑肝散+抗認知症薬
2)周辺症状
(A)陽性症状
幻覚・妄想・興奮など精神症状
徘徊・拒絶・暴力などの異常行動
⇒抑肝散+抗認知症薬
(B)陰性症状
無気力・無関心・自発性低下・抑うつ・ぼんやり
⇒人参養栄湯

MCIないし軽度認知症疑い患者への予防的投与?
1)発熱などの体調変化
2)旅行や入院、入所などの環境変化
3)睡眠薬や降圧剤、抗潰瘍薬などの医薬品の服用
⇒突然のせん妄や徘徊⇒独居老人では見守り者不在⇒外で凍死の危険も
抑肝散の予防的投与

認知症の処方例
1)抑肝散(抑肝散加陳皮半夏) 2~3包 分2 朝(昼)夕食後
2)アリセプト5mg 1T 朝食後
(10mgの処方で強い興奮性出現例あり注意)
3)酸棗仁湯(103) 1~2包 夕・眠前
メマリー20mg 1T 夕・眠前

抗認知症薬
いずれも中核症状とBPSDへの効果を有するが相違もある)
1)興奮や感情不安定で易刺激的な症例⇒メマリー
2)自発性の低下が前景にみられる症例⇒アリセプト パッチ薬
3) 1)と2)との両方の色彩のある症例⇒レミニール

不眠や昼夜逆転
ベンゾジアゼピンは絶対に使用しないこと
1)酸棗仁湯 1~2包 夕食前ないし眠前
2)ロゼレム8mg 1T 眠前
3)ベルソムラ15mg 1T 眠前1時間前
酸棗仁湯やロゼレムは3、4週間使用しないと効果発現なし
ベルソムラは服薬当日から奏功し、筋弛緩や健忘、依存発現なし

認知症のケア
・間違いを正さない(メンツをつぶさない)
・年齢を逆行するがそれにつきあう
・マスクをしない:表情も治療に有効
多少オーバーなリアクション・・・驚きを示す(例:ペンを落とすなど)
・反響動作に注目
同じ動作をまねる傾向がある・・・これを利用して体操を行うなど
・後ろに立つときには声をかけて方に手を添える