3/17京滋漢方セミナー1

少し前の話になりますが、
3/17に京都で開催されました
京滋漢方セミナーでの
講演について書いておきます。

いつものことながら、僕の備忘録ですので、
興味のない方はスルーしてください。

今回の講師と題名は、
島根大学医学部免疫精神神経学共同研究講座特任教授 堀口 淳先生。
「臨床全科で遭遇する不眠やうつ、せん妄や認知症の治療や対応のコツ」

<不眠症>
・ベンゾジアゼピン系薬剤は極力処方しない
1)筋弛緩作用⇒転倒の危険 2)抗コリン作用⇒ボケ↑ 3)依存の問題
睡眠構造の変化:深睡眠(Stage III・IV)↓
長期服用時いきなりやめる⇒ひきつけ、せん妄
異常行動、翌日覚えていないなど

・不眠についての重要な質問
「いびきをかくと言われますか?」
⇒睡眠時無呼吸症候群の疑い

「床につくと、足がムズムズしたり、火照ったり、して
寝付きが悪いとかありませんか?」
⇒むずむず脚症候群の疑い

不眠症の漢方
酸棗仁湯(103)が使いやすい
・ベンゾジアゼピン系の減量にも有効
・児童・思春期はベンゾ系よりも効果的かも

処方例
・なんとなく疲れて眠れない
⇒酸棗仁湯1~2包(or +ロゼレム1錠)
・イライラして眠れない
⇒抑肝散(54)1~2包

<むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)>
特発性(一次性)・・・ドパミン↓、鉄代謝、遺伝
症候性(二次性):
鉄欠乏性貧血 糖尿病 慢性腎不全、妊娠中 胃切除後
パーキンソン病 関節リウマチ 多発性神経炎 脊髄疾患
葉酸欠乏 ビタミンB欠乏 抗ヒスタミン剤 抗精神病薬 抗うつ薬など

透析している人の30%
胃切除後5年

小児のむずむず脚症候群
⇒ADHDと間違われているケースがある!

血液検査:血清フェリチン50μg/dl以下
(基準値は男性20-210, 女性10-170だが、日本の基準は低すぎる)
⇒鉄剤処方(例 フェロミア50mg2T×1ヶ月)

治療
1)知覚異常の緩和
・ビ・シフロール(0.125mg)1~6T 夕食後
・ニュープロパッチ貼付剤(2.25mg)1~3枚 夕方
・レグナイト(300mg)1~2T 夕食後
・リボトリール(0.5mg)1~2T 夕食後
・人参養栄湯(108) 2包 朝夕

2)イライラの緩和
・抑肝散(54)1~2包 夕食後と眠前
(↑イライラには効くがムズムズには効かない)
⇒不十分ならベルソムラを3ヶ月を限度に