本:ちいさい言語学者の冒険2 

昨日の続きです。

たとえば、子どもの言い間違い。
「蚊に刺されて血が出た」という言葉。
子どもは、「かににさされてちがが出た」
なんて言い間違える子が結構多いとか。
確かにうちの子どもも小さい頃、
「血がが出た~!」なんて言ってました。

これはどうも、
日本語では1拍の単語は座り心地が悪いことによるそうです。
だから、今でも方言では「血ぃが出た」と
「ち」を「ちぃ」と伸ばすところがあるとか
・・・って、僕の小さい頃はそう言ってた様な気がします。

他にも子どもは言葉を覚えていく上で、
自分なりに法則を考えて、過剰に当てはめていくらしいのです。
たとえば、「死ぬ」という単語。
幼児は「死む」「死まない」「死めば」という子が結構多いらしい。
そういえば、うちの子も、
昔、初めて飛行機に乗った時に揺れがひどくて、
「みんな、死むの?」って不安げに嫁さんに聞いてたらしい。

これは、マ行を中心とした動詞の多く(飲む、読むなど)が
五段活用なのを経験的に知っていて、
ナ行にも当てはめたことから生じるものなのだそうです。
ところが、実はナ行の五段活用というのは、
現代語では標準語で「死ぬ」1語と
関西の方言で「去ぬ(いぬ)」しかないのだそうです。
(知りませんでした。)

こうした、経験的に知っているものを
いろいろなものに当てはめようとするのを
過剰一般化と言うのだそうです。
これは他にも、
一度犬を「ワンワン」と覚えたら、
猫でも「ワンワン」と呼ぶのも同じようなことなんだそうです。
そうして、間違っていたら、少しずつ修正していくのですね。

そのほか、言葉については、
もう少し年齢が上がってくると、
本当の意味するものを推測するという能力がでてくるそうです。
本文にもありましたが、たとえば、
「大阪城を建てたのは誰?」という質問に対して、
「豊臣秀吉」と答えたら、
「ブー!正解は大工さん!」
という、なぞなぞがありますが、
これなんかは、本来は文脈で意味を読み取るのを
逆手にとった遊びということなのだそうです。

子どもが言葉を身につける方法を観察するだけでも
いろいろな面白いことが見えてきますね。