センチメンタル・ジャーニー4

今回の旅行で、一つ目標がありました。
・・・と言っても、そんな大袈裟なものではないのですが。

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僕が峰山に赴任して、嫁さんの祖父母の家に遊びに行った時、
家の周りを歩いていて、ふと、懐かしい感覚が蘇ってきました。
僕にとっては初めての土地であるはずの岩滝で。

それは、
「カッシャン、カッシャン、カッシャン・・・」
という音でした。

この旧岩滝町(現与謝野町)は、
かつては丹後ちりめんで栄えた土地でした。

「カッシャン、カッシャン、カッシャン・・・」

これは機織りの音、自動織機の奏でる音でした。
僕が生まれ育った虎姫町のある、滋賀県湖北地方は、
長浜を中心に、浜ちりめんで有名で、
長浜の近郊では、昔はやはり機織りが盛んでした。

僕が小学生の頃は、
親戚の家でも家の2階に蚕(カイコ)を飼っていました。
そんな土地柄ですから、
家の近所でも機織りをしている家があり、やはり、

「カッシャン、カッシャン、カッシャン・・・」

音がしていたのでした。
しかし、そんなことは、その後、ずーーーと忘れていました。
実に20年の年月を経て聞いた音でした。

「わー、懐かしい!」
当時、僕は思わず声に出しました。

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この、
「カッシャン、カッシャン、カッシャン・・・」

ちりめん業が衰退していくことで、廃業される家も多いでしょうし、
いつまで聞くことができるかわかりません。
実際に僕の実家の近所では聴くことができません。
この岩滝でも、もうすでに聞くことはできないかも・・・

そう思うと、生録を趣味にしている僕にとっては残念なことです。
できることなら、この音を残したい!

そういう思いもあって、
今回の旅行で岩滝に寄って、
もしこの音が聞こえたなら録音したいと思っていました。

さて、結果は・・・。
1軒だけ、かろうじて機織りの音がしている家がありました。
すぐ横の空き地からですが、音を録ることができました。
https://youtu.be/3YxjgPLumko