医者の不養生1

風邪を引いてしまいました。
といっても、発熱もなければ倦怠感もなし。
症状はほとんど嗄声(声のかれ)のみ。

風邪といは言いましたが、正確には声帯炎です。
ただ、本日になって、わずかに咳や痰もでてきたので、
やっぱり風邪は風邪なんでしょう。

でも、風邪-いわゆる風邪症候群というのは、
原則的にはウイルスにより急性の上気道炎を言うと思うので、
上気道(鼻、咽頭、喉頭)の急性炎症の炎症と考えると、
深いところから咳や痰が出てくるとなると、
それはもう、風邪ではなく気管炎、気管支炎を併発している
ということになってしまい、えらく仰々しいですね。

そう思って、ネットで調べてみると、
日本呼吸器学会のホームページを見てみますと、
最近では概念が下気道にまで広がっているようです。

さらに、病原体も、ウイルスだけでなく、
溶連菌、百日咳のような細菌や、
マイコプラズマやクラミジアの様な非定型病原体も
含まれると書いていますので、概念が広くなりましたね。

何か冒頭からウダウダと書きましたが、
とにかく今回の困った症状は嗄声のみなので、
診察も休むことなく行いました。

ただ、診察の大半は患者さんの問診と病気の説明、
薬の話などですから、しゃべらないわけにはいきません。
耳垢とりだけをしていたらいいのなら比較的楽なんですけど。
それでも、嫌がって動く子どもをなだめたりするには、
やはり声を使わなければいけません。

ひどい声で診察をしていると、
「先生、風邪ひかれたんですか!」
とか、
「私よりひどそう!」なんて、
ちょっと気のどくがってくださいます。
そして、帰る時には、
「先生、お大事にしてください」
と、あべこべに挨拶される始末です。

でも、そう行ってくださる患者さんはまだ良い方で、
ひょっとしたら、
(あんた、医者だろ!自分の健康管理もできないの?)
なんてアイソを尽かしている方もいらっしゃったかもしれません。

昔から「医者の不養生」という言葉がありますが、
「人にはああしろ、こうしろと言いながら、自分ではやっていないこと」
とされますが、出典・由来はどこなんでしょう?
ネットでしばらく探してみましたが、
1件のみ、平賀源内の「風流志道軒伝」だと書いてありましたが、
そうなんでしょうか?

ま、何はともあれ、万全の状態で診察ができなかったことは
反省しなければいけません。

ちょっと長くなりそうなので、続きは明日。