僕が医師になるまで11

大学の授業の話に戻しましょう。

僕が大学生だった頃は、
(ちょっと記憶があやふやになってしまってますが)
大学の授業は、大雑把にいうと、
1年と2年の前半は教養課程、2年の後半から基礎医学、
4年と5の前半で臨床医学を学び、
臨床科目の試験を1週間くらいで一気にやって、
それに合格すると
ポリクリと呼ばれるベッドサイドの授業へとすすめます。
それで、6年の後半に卒業試験を行い、
最後に医師国家試験に臨みます。

まず教養課程で分子生物学を学びました。
高校時代に比べればはるかに詳しいこともあって、
それだけでも結構満足していました。
そこへもって、次は医化学の授業です。
これも高校の生物に比べるともっとマニアックで、これまた楽しい。
知識欲を満たすには充分な授業でした。

中には、教養課程の頃から、生物学などの教室に遊びに行って、
研究のお手伝いをさせてもらっている人もいた様でしたが、
僕は結局そうした教室に顔をだすでもなく、
普通の大学生活を送っていました。

分子生物学や遺伝子工学をやりたい!
と思って入学したのに、どうしてそうしなかったんでしょうね。
ある程度知識欲が満たされたせいでしょうか。
熱しやすくて冷めやすい性格だったからかもしれません。
新しい勉強が始まったら、
移り気ですぐにそちらに意識が集中してしまいます。
どうも、新しいモノ好きで、
上っ面を眺めて満足して、深く推し進めていくというのは、
どうも苦手だったのかもしれません。

また、いざ基礎医学が始まってみると、

解剖学、発生学、組織学、生理学、免疫学、細菌学、寄生虫学、
薬理学、公衆衛生学、病理学、法医学

などを学びます。
さらに、臨床医学にすすみますと、

循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、腎臓内科、
内分泌代謝、血液内科、神経内科、老年病科、
胸部外科、腹部外科、脳神経外科、整形外科、
耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、泌尿器科、
産婦人科、小児科、精神科、麻酔科、歯科口腔外科
(何かまだ抜けているような・・・)
こうしたものを一気に学ぶわけです。

今思えば、このカリキュラムを目にして、
学ぶこと、覚えることの多さにちょっと警戒していた様にも思います。

大学の本屋さんに行けば、
それぞれの科目にテキストが売られているわけですが、
一つ一つのテキストが、これまた分厚い!
ものによっては、5cmくらいある様な本がゴロゴロしています。

<これを勉強するのかぁ~>
そう思うと、ワクワクする気持ちも半分くらいはありましたが、
果たして自分にできるのだろうかという不安も
半分くらいあった様に思います。