耳鳴り:最悪、どこまで大きくなりますか?2

耳鳴りは脳で聞いている。
だから、耳鳴りは気にすんな!
そういう精神論ではありません。
最近の脳科学をもとにした、脳のメカニズムからのお話です。

そこで冒頭のご質問です。
耳鳴りはどこまで大きくなるか?
これは、脳での感覚がどこまで大きくなるかという問題です。
そう考えると、耳鳴りの大きさは
その人の耳鳴りへの集中の度合い次第ということになります。

※2022.7.8追記
上記の最後の文章は一部訂正いたしました。
当初別の表現で記載していましたが、ある耳鳴りの患者さんから、
それを読んで落胆したというメールをいただきました。
私の表現が拙く、うまく伝わらなかった様で大変申し訳なく思います。
意図としては「耳鳴りに集中しない様にしてください」
と言いたかっただけなのですが、
悩まれている患者さんにはそこがうまく伝わらないということに
改めて耳鳴りの説明の難しさを実感しています。

人間にはレジリエンス(回復力)というものが本来備わっています。
生きようとする力と言ってもいいかもしれません。
そうした力が最後に働いて、
ある程度以上の苦痛にはならないのではないかと思うのです。
気休めに思われるかもしれませんが、
自分のレジリエンスを信じてください。

ただ、そうした力が弱ってきたと思われる場合は、
どうか一人で悩まずに周囲の人に相談したり、
心療内科や精神科の先生にもご相談してみてください。
(以上追記終わり)

人間の感覚というのは、非常に繊細です。
指揮者は、オーケストラの団員がそれぞれが演奏する音の中から
少しの違いも聞き逃さないで指摘します。
それは優れた指揮者ほどわずかな間違いでも
聞き逃さないのではないかと思います。

それは、もちろん天性のものもあるでしょうが、
後天的に訓練によって開花した部分も多いと思います。

我々一般人は、そこまでの音を聞き分ける力はないかもしれませんが、
それでも訓練次第で、
そこそこのまで感覚を研ぎ澄ますことは可能だと思います。

耳鳴りも、それは本人にとっては不本意なことではありますが、
耳鳴りに対する感覚を研ぎ澄ますことにより、
どんどん大きく感じるようになっていきます。

何度も言いますが、それは精神論ではなく、
脳の網様体賦活系(RAS)と呼ばれる部分の仕業です。

冒頭で、「引き寄せの法則」の話をしました。
これは、スピリチュアルな話で、
そんな法則が科学的に証明されているわけではありませんが、
おおよそは、このRASの働きで説明できることだと考えられます。
ですから、耳鳴りに意識を集中したらいけないのです。

逆に、「心頭滅却すれば火もまた涼し」
という言葉もありますように、
感覚というのは、そこまで遮断することも、
時に可能だということです。

まあ、「心頭滅却すれば耳鳴りもまた涼し」となれば、
一番いいのですが、これには修行がいるのかもしれません。
それでも、全く不可能ではないということでもあります。

耳鳴りを敵視して、完全に消えることを目標にすると失敗します。
「あってもなくてもどうでもいい」という態度で、
「耳鳴りがしていても、日常生活を普通に暮らせる」
まずは、この辺りを目標にしてみてください。
力がぬければ本当に耳鳴りが小さくなるかもしれません。

(2022.7.8 追記:ここで言う耳鳴りは慢性のものを指します。
急に生じてきた耳鳴りは聴力低下のサインかもしれませんので
数日中に最寄りの耳鼻咽喉科を受診してください)