滋賀睡眠シンポジウム/睡眠不足・不眠症の弊害

先週の土曜日は、
Shiga Sleep Symposiumという勉強会に出席してきました。
製薬会社さんの主催の勉強会ですので、
「うちの製品はいいぞ!」という話かと思ってましたが、
最後の特別講演は、
日本睡眠学会の理事長、伊藤 洋先生のお話で、
とても面白く勉強になりました。

この時の講義メモの一部を自分の備忘録としてもあげておきます。
聞き逃したり、間違っているところにお気づきの方は教えて下さい。
(興味のない方はスルーしてください)

<睡眠不足・不眠症の弊害>
社会的にはお金に換算すると3兆5000億円

①事故(交通事故、就業事故、転倒事故など)

SAS(睡眠時無呼吸症候群):
AHI(無呼吸指数)が15以上で3.5~4.5倍
しかし、一番リスクの高いのは睡眠不足

②うつ病・神経症のリスクの増大

③不登校・出社困難

④身体への悪影響(糖尿病、高血圧など)

睡眠不足と糖尿病:1999年ランセットの論文
4時間睡眠を6日間続けると⇒早朝血糖↑

⑤寿命の短縮

<不眠・睡眠不足と糖尿病>

寝不足⇒ストレス⇒やけ食い:なぜ?
トリプトファン(睡眠誘導ホルモンメラトニンの原料)は
アルブミンと結合しておりBBBを通過できない
炭水化物・甘いものを食べると血糖値↑
⇒インスリン↑
⇒インスリンがトリプトファンとアルブミンの結合を切る
⇒セロトニン↑(セロトニンで気分安定)

その他にも
交感神経↑・レプチン↓/グレリン↑・コルチゾール↑が関与

<睡眠不足と乳がん発症リスク>

約1.6倍
他に膀胱がんも
タバコ・がん家系・ピルなどを補正してもなお高い
睡眠不足=光暴露が長い⇒メラトニン↓
メラトニンには抗酸化作用・抗がん作用あり