本:親切は脳に効く

長々と夏休みの話をしてしまいました。
気がつけば9月。
暑い暑いと言いながらも、
日ごとにコオロギの鳴く声がなじんできました。

夏休みの前はオキシトシンの話をしていました。
オキシトシンがしっかり分泌されると、
社会性が増し、信頼感や絆が強化され、
セロトニンと一緒に働くと安心・安全を感じることができ、
副交感神経(腹側迷走神経複合体)が活性化され、
心身ともにリラックスし修復が行われます。

オキシトシンをふやすのに、体外から取り入れるのも一つですが、
できれば体内で分泌されるオキシトシンを増やすのが理想です。
内因性のオキシトシンを増やすにはどうしたらいいか?

オキシトシンについて注目していると、
アンテナが高くなるのか、いろいろと情報が目に入ってきます。
たとえば、この本:

『親切は脳に効く』 デイビッド・ハミルトン著,堀内久美子訳,サンマーク出版

人に親切にすると5つの(いい意味での)副作用が得られるそうです。
1.親切は、幸せをもたらす
2.親切は、心臓と血管を強くする
3.親切は、老化を遅らせる
4.親切は、人間関係をよくする
5.親切は、伝染する

昔から、「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、
これは情け(人に親切にすること)は、
人のためにならないからしない方がよいという意味ではありません。
情けは最終的には回りまわって自分に帰ってくるものだよ、
というのが本来の意味。
まあこの本はそれをちょっと科学的なテイストで語ったような本ですね。

上の5つの副作用、つまり、人に親切にすることで、
自分と自分の周りにいいことが起こるというのですが、
その科学的な根拠がオキシトシンが分泌されるからだと言います。

そしてこの本には、
誰にでもできるオキシトシンを増やせる6つの方法が書かれています(p.96)。
①「高揚」を感じる
道徳的に美しいシーンや、楽しい感動する動画をみるだけでも良い様です。

②あたたかい気持ちのやりとりをする
愛情、ぬくもり、絆を感じると隠岐都心が増えるそうです。
でも、オキシトシンが出たから、そうしたものを感じる様になれる気もします。
卵とニワトリの関係なのかな?

③人をなぐさめる
なぐさめた方もなぐさめられた方もオキシトシンが作られるそうです。

④友人や愛する人を支える
これも何となくどちらが卵でどちらがニワトリかという気もするのですが。

⑤ココロで思う
実際に親切にしたり、愛情を示したりしなくても、
オキシトシンを分泌することはできるのだと。
それはストレスの多い場にいなくても、
ストレスのことを考えるだけでストレスホルモンが分泌されることと同じだと。
なるほど!そういう説明を聞くとなんとなく腑に落ちます。

愛する人のことを思う、親切や人とつながった経験、
あたたかいやりとりの思い出を思い出すだけで、
オキシトシンは作られるそうです。

⑥ハグをする
日本人はちょっと苦手かもしれませんね。
パートナーがいる方はどうぞ。
でもパートナーがストレスになっている場合は逆効果かもしれませんね。
パートナーがいなくてもペットとふれあうだけでもいい様です。
心臓発作をきたした人のその後の予後が、
犬を飼っている人の方が予後が良いという論文があるそうで、
これはオキシトシンによる心臓保護作用なんだそうです。

ちょっと道徳の本を読んでいる様な感じのする本ではありますが、
オキシトシンについて興味を持たれた方は読んでみて下さい。