左右が意味するもの2 

中国古代陰陽思想では
様々なものを陰陽に分けて考えます。
太陽が陽で月が陰。
昼が陽で夜が陰。
上るものが陽で下がるものが陰。
男性が陽で女性が陰。
こんなふうにすべてのものを陰陽に分類した上で、
その調和が大切と考えていたわけです。

ここで左右についてはどうかというと、左が陽、右が陰。
(昨日も書きましたが僕は逆だと思ていました)
これは南を向いて(なぜ南を向くのかわかりませんが)、
東(左)から太陽が上ってくるので左が陽、
西(右)に太陽は沈んでいくので右が陰、
という発想なんだそうです。

でもなんかイメージが違う・・・
僕のイメージでは、右=陽 左=陰なんだけどなぁ。
だから 右=男性 左=女性 と考えて、
右に症状が出るときは男性性、
左に症状が出るときは女性性
の問題点があるのではないかと考えていたのでした。
まあ、陰陽を持ち出さなくても、
左右と男女性を語ればいい話ではあるんですけど。

そう思っていた時に、ふと思い出しました。
以前、ココロとカラダの関係を独自の着眼点で論じている
おのころ心平さんのセミナーを拝聴することがあったのですが、
そのセミナーの中でこの左右と男性性・女性性の問題を
取り上げておられたのを思い出したのでした。

昔いただいた資料を探し出して読み返してみました。
どうも、古今東西一般的には、やっぱり
右=男性 左=女性
なんだそうですが、中国思想では
右=女性 左=男性
になっているのですが、これも時代によって違っていて
秦・漢の時代は、右=男性 左=女性だったのが、
唐・宋の時代に、右=女性 左=男性になり、
その後時代を経て元の時代は、また右=男性 左=女性になり、
さらに明・清の時代に、右=女性 左=男性と
結構ころころと入れ替わっているらしいのです。

で、日本は遣唐使の時代の文化の影響を強く受けていて、
昔は、右=女性 左=男性
だったらしいのです。
ただ、現代は西洋の影響を受けているので、
右=男性 左=女性でいいのではないかとのことでした。

実は、この左右の話を書き出したのが3月3日ひな祭りの日で、
お雛様(女性)とお内裏様(男性)を左右どちらに置くか
という話と絡めてお話しようと思っていたのでした。

これもネットで拾ってきた話ではあるのですが、
現代のお雛様の9割は、
右(向かって左)がお内裏様で、左がお雛様になっているそうです。
つまり、右=男性 左=女性。

ただ、古式や現代でも京都では、
右(向かって左)がお雛様で、左がお内裏様
すなわち、右=女性 左=男性
なんだそうで、それは陰陽説による並びなんだそうです。

これもネットで拾ってきた知識なのですが、
ひだりの「ひ」は「火」に由来し上に上る、だから陽、
みぎの「み」は「水」に由来し下に下がる、だから陰、
なんだそうです。だから 左=陽 右=陰。
これはなんだかちょっとこじつけっぽい気もしますが。

ここで、ネットで面白い話を見つけました。
同志社女子大 日本語日本部学科 吉海先生のコラム:
右と左の話

冠位等で右と左でどちらが上かという時に、
日本では左が上位で右が下位だったそうです。
つまり左大臣・右大臣の順。
これに対し、古代中国(漢)の時代は、右が上位だったらしく、
「左遷」という言葉はこの時の言葉だと。

先にも書きましたが、中国ではこのあと、時代が下って、
唐の時代なると左が上位に変わったらしい。
この左右の上座の入れ替わりは
時代の争いごとと関連があるそうです。
昔は左が文官、右が武官と分かれていて、
平和な時代は左の文官が上位になり、
争いごとの多い時期は右の武官が上位だったそうなのです。

もう少しネットで左右について探ってみました。
右の語源は「にぎり(握り)」が転じたという説が強いとのこと。
右手の方が力を入れて握りやすいからということらしい。

また、手元に『言葉の起こり』という本があるので、
これで左右の語源を調べてみました。
右については残念ながら書いてなかったのですが、
左については、左手が右手と比較して活力がないことを
「秘垂り」という言葉で言い表したことに由来するのではないか
と書いてあります。

いずれにしても、とりあえずは、
右=男性性 左=女性性
が身体に現れるのではないかと思います。
そして本来は左右の調和がとれている状態が健康な状態なんだと思います。

そのバランスが崩れている時には具体的に、
男性性とは何か?
女性性とは何か?と考えた場合、
僕は男性性は「怒りの蓄積」で、
女性性は「悲しみの蓄積」ではないかと考えました。

もちろん、女性も怒りますし、男性も悲しくなることはあります。
(ですので、わざわざ男性性、女性性という言葉は
出さなくてもよいのかもしれません。)

どうでしょう?
右(左)に症状のある方、怒り(悲しみ)をためていませんか?

と、ここまで書いたところで、
ネットで心理カウンセラーの方が
こんなことをおっしゃってるのを見つけました。
私は、私をもっと知りたい!:左右陰陽問題 ~右が陰?左が陰?~

このブログから下記引用させていただきました。
右、つまり陽が痛むときは頑張りすぎているのかも!しっかり休んであげてね!とか、左の時はやりたいこと我慢してないかな?してあげてもいいんだよ!というような話をしています。

なるほど!
頑張りすぎは男性性、我慢しすぎは女性性
確かにそうかもしれません。
僕も今度患者さんに話してみようと思います。