ヘスペリジン:COVID-19の予防・・・になるかな?2 

前回からの続き

ネットで検索していたら見つけました:
Is hesperidin essential for prophylaxis and treatment of COVID-19 Infection
(ヘスペリジンはCOVID-19感染の予防と治療に不可欠ですか)

出典はMedical Hypotheses 144 (2020) 109957
筆者はエジプトのタンタ大学薬学部のYusuf A. Haggagら。

Abstract(概要)をPCで機械訳してみますと:
”(最初一部略)ヘスペリジンは、優れた安全性プロファイルを備えた、世界中で長い間使用されている古典的な漢方薬です。ヘスペリジンは、抗酸化剤および抗炎症剤として使用されるよく知られた漢方薬です。利用可能な証拠の断片は、COVID 19の予防と治療におけるヘスペリジンの有望な使用をサポートしています。ここでは、以前と最近の発見に基づいて、ヘスペリジンの可能な予防と治療のメカニズムについて説明します。ヘスペリジンは、感染を防ぐことができるACE2受容体を介してコロナウイルスが宿主細胞に侵入するのを阻止することができます。ヘスペリジンの抗ウイルス活性は、感染に対する宿主細胞性免疫を改善することにより、COVID-19の治療オプションを構成する可能性があり、その優れた抗炎症活性は、サイトカインストームの制御に役立つ可能性があります。ヘスペリジンと同時投与されたジオスミンとのヘスペリジン混合物は、疾患の進行を妨げる可能性のある静脈血栓塞栓症から保護します。それに基づいて、ヘスペリジンは意味のある予防薬として、そしてSARS-CoV-2感染に対する有望な補助療法の選択肢として使用されるかもしれません。”(訳終わり)

COVID-19の流行以来、
SARS-Cov-2ウイルスが生体の細胞に感染するメカニズムを
色々なところで見たことがあるかと思います。

まずはウイルスのスパイクタンパクがACE2受容体に結合し、
そのあと、TMPRESS2という「はさみ」でウイルスの細胞壁が破れて、
中のRNAが宿主の細胞内に侵入する様です。

ヘスペリジンの一つの作用は、
このスパイクタンパクとACE2の相互作用を妨害するそうです。
(図の上の×の部分)

また、インフルエンザでの話の様ですが、
インターフェロンーMAPK経路というのがうまく働くと、
細胞の中でのウイルスの複製やその後の拡散が抑制され、
組織の損傷を最小限に抑えることができるのだそうです。
(図の右下の部分)

このインターフェロンーMAPK経路は、COVID-19に対する
免疫応答にも重要な役割を果たしているらしく、
そうなるとヘスペリジンに期待がでてきます。

さらにヘスペリジンには、IFN-γやIL-2といった
炎症誘発性サイトカインの分泌を阻害する作用や、
NF-κBシグナル伝達カスケードの活性化を阻害することによる、
IL-1β刺激性炎症反応を阻害する作用もあるそうです。
(図の←下の×の部分)

上の様な図をみると、
ヘスペリジンってすごく効きそうな感じがするのですが、
実際にはどうなんでしょう?

インターネットでもう少しヘスペリジンについて調べてみたのですが、
このヘスペリジンと同じく柑橘類に含まれるジオスミンを組み合わせた
トライアルが計画されていた様なのですが、
結果がどうだったかという報告は見つけることができませんでした。

うーん、中々難しいのかな。