膿栓について

膿栓は、主に扁桃腺の表面のでこぼこした場所の穴の部分にたまった
黄白色の物質です。
自然にとれる場合も多く、
はき出したものを匂うとすごく臭いのでくさい玉という俗称もあります。

膿栓は扁桃腺で免疫システムが細菌などと戦った結果の産物や
食べ物のかすなどが合わさったものと考えられます。
急性扁桃炎で扁桃腺の表面にでてくる膿とは別物
(細菌との戦いの産物という意味では同じですが)で、
どちらかといえば慢性的なものです。

膿栓がでるからと言って、即病気というわけではありませんが、
多少慢性的な炎症が存在すると考えるべきかもしれません。

膿栓に対してどう対処するかというのは頭の痛い問題です。
咽頭の異物感の原因になりますし、
実際には膿栓が扁桃の中にとどまっている場合は
それほど問題にならないのですが、
出てくると臭いがするので
口臭の元としてすごく気にされる方が多いのも事実です。

治療としては、
根本的には扁桃腺を摘出する手術をすればたまらなくなりますが、
一般的にはそこまで行うことはほとんどないのではないかと思います。
また、膿栓を気にされる方は、のどに敏感な方が多いので、手術しても、
今度は手術のあとの状態に違和感を感じる可能性も考えられ、
あまりおすすめはしません。

現実的なところでは、
明らかに膿栓が扁桃に挟まっている場合は掻き出すことになります。
少し強めにうがいをするだけでもとれる場合があると思います。

また、膿栓がたまりやすい時というのは、
扁桃で細菌が繁殖しやすくなっている時だと思いますので、
うがいをよくしたり、ストレスや疲れをためないことも大切です。
ただし、うがいはやり過ぎても、
常在菌まで殺してしまうことになりますので、
ほどほど(1日4回程度か)で、
強い殺菌力のあるうがい液は最小限にしておく方がよいと思います。

口呼吸が多いのも原因の一つという話もありますので、
できるだけ鼻呼吸をするように心がけるのも一つかと思います。

耳鼻咽喉科に来ていただければ、膿栓のチェックは行います。
あれば摘出してみますが、必ずとれるとは限りません。

<咽頭・喉頭>