春の義理

今年の花粉症は、当初の予想では平年並みとのことでしたが、
僕がここで書くまでもなく、黄砂やPM2.5の影響もあってか
昨年に比べると症状が強くでている人が多い様です。

まあ、今年は桜の開花が早かったのと同じく、
花粉の収束もいつもの年よりは早いと思います。
あと2週間ほどで収まるのではないでしょうか。

ただ、カモガヤなどの夏の雑草の花粉症を持っている方は
いつもならGW頃から始まる症状が、
前倒しして早めにやってくるかもしれません。

まあそんなわけで、SARS-Cov-2に気を遣いつつも
ありがたいことに2月半ばから仕事が忙しく、
気がついたら季節がすすんでいました。

先日テレビを見ていたら、
仁和寺の御室桜が紹介されていました。
この桜、他のソメイヨシノより少し遅れて咲くらしく、
これで桜は見納めらしいのですが、
昔、川端康成が『古都』の中で、
「御室の桜も、一目見たら、春の義理がすんだようなもんや」
と言う文章を登場人物に語らせているそうなんです。

『古都』は遠い昔、読んだような覚えもあるのですが、
この文章は覚えていません。
・・・というか、ほとんど内容も覚えていませんが
(本当に読んだんだっけ?)、
「春の義理」って中々面白い言葉だなと思います。

僕も、最近は毎年この時期、
カメラを持って桜の写真を撮りに行きます。
写真のできばえはともかく、写真を撮りながら桜を眺めることで、
(あれっ?逆か。桜を眺めながら写真を撮ることで)
1年が過ぎたことをしみじみと感じます。
それこそ春の義理みたいなもんですね。

というわけで、今年の桜です。






1日ではもったいないので(笑)続きの写真は次回。

そういえば、川端康成の『古都』は、
昔、岡江久美子さんが主演でテレビドラマになりましたね。
岡江さんが亡くなられてもうすぐ1年。
世の中は大きく変化しました。

毎年変わらず美しい花を咲かせる桜ですが、
散るときは一気に散ってしまいます。
その儚さが日本人の心に響くのでしょうか。

せめて、季節の移ろいを味わい楽しみながら、
日々頑張って暮らしたいと思います。