ロンドン・ナショナル・ギャラリー展@大阪2

昨日からの続きです。

第3章 ヴァン・ダイクとイギリス肖像画
このコーナーは昔の貴族が描かせた肖像画が中心で、
あまり好みの絵はないのですが・・・
☆ゲインズバラ 『ジドンズ夫人』

その中ではこの絵が好きかな。
当時最も有名な悲劇女優の肖像画なんだそうですが、
他の画家の多くが演技中の夫人を描いているのに対し、
ゲインズバラは私服の姿を描いているそうです。
凜とした感じがいいですね。

第4章 グランドツアー
18世紀のイギリスでは、富裕層の子息が、
紳士の教育の総仕上げとして、
ヨーロッパの重要な都市を見学するツアーがあったそうです。
これをグランドツアーと呼び、特に北イタリアは人気があったらしい。
それに同行した画家たちが風景画を中心に絵画を残しています。

第5章 スペイン絵画の発見
僕はこのコーナーが好きです。
☆ゴヤ 『ウェリントン公爵』

歴代のスペイン国王に仕えた宮廷画家であるゴヤが
スペイン独立戦争の功労者を描いた作品。
勲章を首に掛けた有名人を誇らしげに描くのではなく、
数々の栄光の裏に隠された苦労をにじませている作品。
ただ、この肖像が像主を満足させたかどうかは定かではない。
まあ、確かに描いてもらう方からしたらちょっと複雑かも。

☆エル・グレコ 『承認を追い払うキリスト』

ぱっと見て、
「おお!エル・グレコじゃん!」と一人つぶやく。
普通に展示されていてびっくり。

☆ベラスケス 『マルタとマリアの家のキリスト』

この作品、僕は全く知りませんでした。
ベラスケスと書いてなかったら気がつかなかったかも。
でも、言われてみれば、手前と奥とに人を配置する構図が
なんとなく『ラス・メニーナス(女官たち)』に似てるかも。

☆スルバラン 『アンティオキアの聖マルガリータ』

今回の展覧会で僕はこれが一番印象に残りました。
結構大きな作品で迫力があります。
服や腕に下げているかばんの質感がすごい。
ドラマ半沢直樹で国土交通省大臣役だった江口のりこさんに
ちょっと似てませんか?

第6章 風景画とピクチャレスク
☆クロード・ロラン 『開港』

これは以前見た様な気がします。

☆ゲインズバラ 『水飲み場』

第3章の『ジドンズ夫人』と同じ作者ですね。
こんな作品も描いてたんだ。

第7章 イギリスにおけるフランス近代美術の受容
このコーナーはおなじみの画家がいっぱい。
☆ルノワール 『劇場にて(初めてのお出かけ)』


☆モネ 『睡蓮の池』


☆セザンヌ 『プロヴァンスの丘』

このあたりは、もう超有名。
他にもコローやピサロ、ドガなども展示されています。

そして、これが今回の一番の目玉:
☆ゴッホ 『ひまわり』

これだけで一部屋が使われています。
ゴッホは南仏アルルに滞在している時に、
花瓶に生けられたひまわりを
生涯に7点描いているそうです 。
(1点は焼失し現存するのは6つ)

最初ゴッホは背景を補色の青系で描いていましたが、
4作目、5作目は背景を黄色にして、
黄色に黄色を重ねるという新しい試みを行いました。
この4作目はナショナルギャリーに、
5作目は日本興亜美術館に所蔵されています。

ゴッホがこの作品を描いた頃というのは、
ゴーギャンと共同生活をしている時期で、
最も希望と情熱に満ちていた時期だったそうです。
この希望と情熱の象徴が、
この『ひまわり』なんだそうです。

新型コロナ感染症の拡大で
中々観に行きづらい今日この頃ですが、
本当はいろんな人に観ていただきたい
作品ばかりです。