オーバーフローエラー

先月のブログで、
「最近ちょっとオーバーフローエラー気味」と書きました。

今年はCOVID-19が流行しました。
今までに経験のない感染症です。
こういう場合、最新の情報収集が必要となります。

情報はできるだけ一次資料、
つまり、欲しい情報に最も近いところから得るのが鉄則です。
今回の場合、最も近いところというのは、
COVID-19に罹った人の手記かもしれませんし、
その次に近いのは患者さんを治療した医師からの報告です。

実際に、周りが騒々しくなってきた時、
アメリカで診療に当たられている先生からの報告を載せた
このサイトがすごく参考になりました。
感染症診療の原則 2020/03/29

また、医師同士の情報共有するSNSグループも
かなり助かりました。

情報って、集めだすと次から次へと新しい情報が気になります。
そのうち、New England Journal of MedicineやNatureなど、
有名雑誌の情報を直接求める様になりました。

昔は、「僕は英語苦手だし・・・」と、
勤務医の頃は抄読会の時くらいしか英語の論文は読みませんでした。
開業してからは、さらに遠のいてしまって、英語の論文を読むのは
よっぽど興味のあることにしかアクセスすらしませんでした。

ところが、最近はGoogleの翻訳が
まあまあ使える様になってきたものですから、
僕の様な英語苦手人間でも外国論文を比較的容易に
読むことができるようになりました。

そうすると、今回の様なパンデミックでに対する情報収集を
やり始めてみますと、確かにテレビなんかに比べると
少なくとも4,5日以上情報が早いことに気づきました。

情報を早く入手することが、
特別偉いわけでも何でもないのですが、
何となく優越感がでてきます。

そうなると、前々から興味を持っていた分野についても
最新の情報を読みたくなってきます。

そこでCell Pressのサイトに行って、
興味のある分野のメールサービスに
片っ端からチェックを入れました。
Trends in Immunology, Cell Metabolism, Nueron,
Trends in Microbiology, Immunity,
Trends in Pharmacological Sciences
(これらすべて雑誌の名前です)


昔だったら図書館に行って文献を探すところなのですが、
これらの雑誌に掲載される論文の紹介が
次から次へと毎日メールに流れてくるようになりました。

まあ、ほとんどは自分の興味からちょっと外れていたりして、
表題をみるだけでほとんどはゴミ箱に放り込んでしまうのですが、
10編の中で1編くらいはアブストラクトを読んでみようとなります。
そして、その中からさらにその10編に1編くらいは
本文も読んでみたくなります。

まあ、お金を出して購読する必要があるものが多いのですが、
それはさらに10編のうち1編くらいのもので、
うれしいことに意外にフリーの論文が結構あります。

で、これをざっと読んで、わかったような気になって(笑)、
論文はダウンロードしてEvernoteやDropboxに貯めていきます。
そうすると、そのうちに妙な勘違いができあがります。
”ひょっとしたら、僕って最先端の情報をつかんでるんだ!”
という妙な自信です。

実際にはちょっと知識が増えただけで、
何か実生活や診療に直接役立つわけではないのですが、
いったん走り出したら止まりません。

というわけで、
そのうちにパソコンを立ち上げたら、
メールを片っ端からチェックして、その中から気になった論文を
Google翻訳で訳して読むのが日課となりました。

まあ、それはそれで、知識欲を満たしてくれるのですが、
時間がどんどんなくなってしまいます。
他の本も読みたいのですが中々後回しになってしまいます。
ブログも滞りがち。
あれもしたいし、これもしたいし・・・なのに時間がない!

これではいけないなあ。
そう思っているのですが、情報収集はやめにくい(笑)。
まさに、オーバーフローエラーです。

と、そんな時に一つの本に目がとまりました。
次回はその本についてお話したいと思います。