Prevotella菌悪玉説の否定サイト

以前、COVID-19の真犯人はPrevotella菌なのか?
みたいなことが書いてあるサイトについてお話しました。
新型コロナ感染症とプレボテラ菌?1
新型コロナ感染症とプレボテラ菌?2

上の説について、否定のサイトがみつかりました。
世界三大通信社のひとつである
AFP通信が手がける検証サイトみたいです。
Non, ce n’est pas la bacterie Prevotella qui tue les patients du Covid-19

フランスでもこの話は話題になっていた様で、
いろいろと専門家に話を聞いて確認が行われた様です。

またまたGoogle翻訳(+ちょこっと修正)で見てみます。
”De nombreuses publications virales sur les reseaux sociaux affirment que des scientifiques ont decouvert que c’est une bacterie intestinale, la Prevotella, qui une fois infectee par le nouveau coronavirus, serait en fait responsable du deces des patients. C’est faux : le SARS-CoV-2 ne peut pas infecter une bacterie et il n’y a pas de lien scientifiquement etabli entre Prevotella et Covid, selon plusieurs experts scientifiques interroges par l’AFP
ソーシャルネットワーク上の多数のウイルスに関する出版物は、科学者がこれが腸内細菌であることを発見したと主張しています。プレボテラは、かつて新しいコロナウイルスに感染し、実際に患者の死の原因となっています。 AFPがインタビューしたいくつかの科学専門家によるとこれは誤りです。SARS-CoV-2は細菌に感染することができず、プレボテラとCovidの間に科学的なリンクは確立されていません。”

以下原文は省略。
”かなり長い間、このテキストは主に「ウイルスは実際には直接殺さないが、腸内細菌を介して感染する、プレボテラ…そして、この感染した細菌は、 毒性が強いと、肺を崩壊させて患者を殺す免疫超反応を引き起こします!」と書いています。

しかし、AFPがインタビューした科学専門家は、SARS-CoV-2はバクテリアに感染するタイプのウイルスではないと説明しています。 さらに、研究者として自分を表す人によって書かれ、この理論を支持するために引用されることもある文章は、著者によって部分的に否認されています。”

”4月20日、この細菌がこの病気に関連している可能性があるかどうか尋ねられたとき、保健局長(DGS)のジェローム・サロモンは次のように答えました。 “

(”SARS-CoV-2がPrevotella菌に感染して、ウイルスの供給源になる”みたいなことが書いてあるのですが、それに対して)
”もともと、その論文はその作者によって撤回された仮説”
であると答えています。
つまり、
”研究や論文とは異なり、それは「手紙」(「手紙」)、仮説の簡単な声明です。 それは「出版前」のサイトでオンラインにされました、すなわち、これらの仮説は他の研究者によって読まれ、修正され、検証されていません。”

”新しいコロナウイルスは、細菌の壁に「侵入することができない」と分子微生物学の研究者であるパスツール研究所のパスカル・コサートは言います。”

”レミーバーセリン(という専門家)が強調したもう1つのポイントは、バクテリオファージウイルスが細菌に感染すると、「それ以上動かないか、爆発するか」です。
そのため、SARS-CoV-2が細菌に感染できたとしても、逆に細菌の増殖、移動、強化は起こらないと、彼は述べています。”

たしかに、もともとの記事を読んだ時に、
”SARS-CoV-2がPrevotella菌に感染して、ウイルスの供給源になる”
みたいな論文が引用されていたので、元記事をたどってみると、
その論文がその後撤回されているのを僕も確認しています。

”「私の知る限り、PrevotellaとSARS-CoV-2の間に確立されたリンクはありません」と彼は言った。”

もし、Prevotella菌の表面にACE2受容体があれば、
SARS-CoV-2がPrevotella菌に感染は考えられるかもしれませんが、
これもいくらか探してみましたが、うまくヒットしませんでした。
よって僕も、Prevotella菌がウイルスのリザーバーになる
という考え方は全く考えていませんでした。

ただ、「慢性疾患とプレボテラ」で1つ記事を書きましたが、
あの様な病巣感染的な考え方は
重症化を説明するのに可能かも、と思ったわけです。

しかし、片や慢性炎症疾患、片や急性炎症疾患ですので、
やっぱりちょっと考え方に無理があるのかもしれません。

そしてサイトでは最後に、
”最後に、この理論に基づいて(誤り)、ソーシャルネットワーク上のさまざまな出版物は、抗生物質の投与が必要であると推測しています。
「しかしそれはそれとは何の関係もない」とパスカル・コサールは言う。 抗生物質は、Covidの患者によく投与されますが、他の多くのウイルスと同様に、このウイルス性疾患の合併症の1つである細菌の重複感染の治療に使用されます。”

合併症として細菌感染が起これば抗生剤が投与されることは
ごく普通です。
誤りだといわれているサイトで、「抗生剤の投与を!」と
書かれてあるのは、できるだけ初期にPrevotella菌を叩いて
重症化を避けろ、ということなんだと思います。
この2つは論点は少し違います。

ただ、前回にも書きましたが、
重症化する確率が稀な疾患に対して、
もし、Prevotella菌が真犯人だったとしても、
全ての人に重症化予防のために抗生剤を投与するのは、
耐性菌を増やすリスクもあるので慎むべきだと思います。
もし真犯人の可能性があるのなら、
重症化するリスクのある人にのみ行ってみる
ということになると思います。

だけど、新型コロナ感染症とインターフェロンにも書きましたが、
むしろインターフェロンの点鼻の方が期待できるかもしれません。