本:知られざる後鼻漏ー鼻から始まるその不快感の正体

慢性上咽頭炎の本が昨年発売されて、
巻末にEAT(上咽頭擦過療法)を行なっている医療機関として
登録させていただいたところ、
色々なところから患者さんが来院される機会が増えました。

EATの適応の一つに後鼻漏があります。
これは病名ではなく、症状を現す言葉です。
鼻水・鼻汁がノドに下がってくる状態、
もしくは下がってくる感じ、へばりつく感じなども含まれます。

こうした症状に対して、EATを行うことで、
だんだん良くなる患者さんもいらっしゃいますが、
あまり変わらない患者さんもいらっしゃいます。

それは後鼻漏が多種多様な病態の結果を
一つの言葉でひとくくりにしまっているからではないかと思います。
・・・と言いましたが、僕もこの本を読むまでは、
あまり深く考えていませんでした。

『知られざる後鼻漏-鼻から始まるその不快感の正体』 呉 孟達, 幻冬舎
WS000001

この本、一般向けに書かれているように思うのですが、
400ページ超えの分厚い本で、
書かれている内容も専門用語満載で、
耳鼻咽喉科医の僕でも読むのに結構骨が折れました。

専門書と一般書のどっちつかずになっている点と、
上咽頭炎についての記載が少ないところがちょっと残念ですが、
全体としてはすごくよい本だと思います。

次回から、しばらくこの本をもとに、
僕なりに後鼻漏についてまとめてみようと思います。