本:論語と算盤2

さて、この本ですが、
渋沢栄一が自分で書いた本ではないんですね。
講演会などで講演の口述をまとめたものなのだそうです。

この本の中で一貫して語られているのは、
「商売にも道徳が必要」ということ。
題名の「算盤」というのが「商売」のことで、
「論語」の教えの中に道徳が語られており、
論語の内容をしっかり学び、体現することで、
仕事もうまくいくということの様です。

まあ、「道徳」なんて言うと
説教じみた感じがしないでもないですが、
いうなれば人の道、
「忠恕」:良心的で思いやりある姿勢
「信」:信頼されること
「礼」:礼儀正しいこと
「孝悌」:親や年長者を敬うこと
「仁」:物事を健やかに育むこと
と言ったものを大切にするということ。

何となく南総里見八犬伝を思い出してしまいそう(笑)。
でも言っていることは当たりまえのこと。
・・・まあ、「親や年長者を敬う」というのは、
敬うことはもちろん大切ではありますが、
仕事の上では、イコール盲目的に従うということでは
ないであろうとは思います。

こうした考え方と反対なのは、
「目的を達するためには手段を選ばない」
ということ。
まあ、そりゃそうですね。
私利私欲で動いても、
短期的にはうまくいっても長期的にはうまくいきません。

これは、滋賀県人としてはなじみのある、
近江商人の「三方よし」にも通じるものですね。

これは何も商業に限ったことではありませんね。
医業でも同じです。
(って、医業も商業活動の一つか)

それにしても、
この「論語と算盤」が書かれるもととなった
渋沢公が講演をされていた時代は、
明治の終わりから、
せいぜい大正の頃の話のはずなのですが、
書いてあることがそっくりそのまま現代の話かと思える内容です。
つまり、
今でも書いてあることは十分に通用する話だということ。

渋沢栄一は、
500を超える銀行や企業の立ち上げに関わったそうですが、
ほとんど自分の財閥のようなものは作らず、
あくまで、国を富ませ、人びとを幸せにする目的で、
事業育成をおこなっていたそうです。
確かに1万円札の肖像には最適かもしれませんね。