本:めまいの起源を求めて1

『めまいの起源を求めて』 室伏利久, 中外医学社
B_2238

僕が研修をした滋賀医科大学耳鼻咽喉科は、
当時、北原正章先生が教授をされていて、
めまいと耳鳴りをメインテーマとしていました。

そういった流れから、
僕の興味も自然とめまい・難聴・耳鳴といった神経耳科領域に
集中するようになりました。

めまいの学会に行くと、
大御所の先生にもお目にかかれるし
(といっても、遠くから眺めるだけですが)
新進気鋭の先生の口演を聴くこともできます。

開業する前、学会に頑張って行っていたころ、
前庭誘発筋電位検査(vestibular evoked myogenic potential : VEMP)
という、検査が紹介されたころでした。
僕の記憶が確かなら(ちょっと最近怪しいですが)、
その報告の第一人者が著者の室伏先生だった様に思います。
(間違っていたらすみません)

内耳は聴覚と平衡覚をつかさどる臓器ですが、
平衡覚を感じる器官には回転刺激を感じ取る三半規管と、
垂直、前後左右の加速度を感じる耳石器(卵形嚢と球形嚢)があります。

三半規管の機能を調べる検査としては、
温度刺激検査、回転刺激検査や最近ではvHITなどがありますが、
耳石器を調べる検査には、
(一応Galvanic testというのはありましたが)
最近まで中々いいものがありませんでした。
VEMPという検査はこの、耳石器をみる検査として、
最近普及してきています。

ま、そんなわけで、室伏先生の存在はだいぶん前から
存じ上げていたのですが、
学会で口演される印象しかなかったので、
普通に偉い先生という印象でした。

ところが、この本を読んでみて、
先生の教養の深さのようなものが伝わってきました。

ちょっと長くなったので次回へ