低音障害型急性感音難聴1

難しそうな病名ですが、
要は「内耳がへたった状態」ということです。

近年、この低音障害型感音難聴の患者さんが
多くなったような印象をもっています。
そこでパンフレットを作ろうかと思って、
まずはとりあえあずお話したいことを上げてみます。
パンフにするにはそれをそぎ落とす必要はあるのですが。

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典型的な症状は、
耳閉感・難聴・耳鳴・聴覚過敏などがあります。
耳閉感とは、耳がつまった感じ、膜が張った感じ、トンネルに入った感じ、
などと表現されることが多いと思います。
耳鳴で多いのは「ブーン」という換気扇の様な音ですが、
人によっては「キーン」という耳鳴りのこともあります。
聴覚過敏は、音が割れて聞こえる、響いて聞こえる、
と表現される方が多い様です。

そして聴力検査をしますと、
低い音を中心に聴力が落ちているのがわかります。

この病気は、医療機関によっては、
軽い突発性難聴と診断される場合もあります。
ただ、突発性難聴は何回も繰り返しませんので、
繰り返した時点で低音障害型急性感音難聴となります。

また、めまいを伴わないメニエール病、
あるいは蝸牛型メニエール病と言われる場合もあります。
これは、本態的にはほぼ同じと考えてよいと思います。

低音障害型急性感音難聴の本態は内リンパ水腫、すなわち、
内耳(正確には内リンパと呼ばれる部分)がむくんだ状態です。

ですから、基本的にメニエール病の親戚と思っておく方がよく、
現在はめまいがなくても、、耳閉感がある時には、
いつめまいがしてもおかしくない状態なのです。
実際に耳閉感で受診された患者さんが
数日後にめまいがすると再診される場合があります。

原因や生じるメカニズムは、
現在のところまだ完全にはわかっていませんが、
寝不足・疲れ・ストレスが引き金になって発症している
であろうと思われます。

上記の様な生活のひずみから自律神経が乱れ、内耳に
おもにバソプレッシンという水をためるホルモンが働き、
内リンパの圧を上げ、
それが圧迫感と聴力に関連する有毛細胞の動きを
制限して症状がでるのだろうと言われています。

 

明日につづく