本:無意識との対話1

タイトルは今までの本の紹介と合わせるために、
「本」と書きましたが、
実際はNHKのラジオ番組のテキストです。
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『無意識との対話 -身心を見つめなおす-』 町田宗鳳,NHK出版
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哲学とか宗教・・・といってもWS000000
具体的な○○教ということではなく、
人間としての信仰のようなものに
昔から興味があります。
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人類は、自我に目覚めた頃より、
無意識というものを、
神話や夢判断といった形で表現してきたのだと思われ、
また、宗教が芽生えた頃からずっと関わってきました。
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この無意識というものを、
学問的に最初にその存在を提唱したのはフロイトと言われ、
ユングはそれをさらに発展させ、
個人的無意識と普遍的無意識という二重構造を提唱しました。
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著者の町田宗鳳氏は、14歳で出家し、
臨済宗大徳寺で修行され、その後アメリカに渡られ、
仏教に限らず東西の宗教を学ばれ教鞭もとられています。
今回、無意識をこころの中の五重塔に例え、
最終的に無意識と対話をすることで、
よりよい人生を歩めるようにしてほしいという思いで、
NHKのラジオの番組で解説されました。
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さて、こころの五重塔ですが、
最上階は「自我意識」、心の司令塔だそうです。
これは、一般的に我々が「心」と呼んでいる部分で、
その中には五感も含まれます。
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この自我意識に注目し、感情や感覚といったものを
極力排除して理性や知性を中心に
考える重要性を説いたのが
近代哲学の父デカルトと言われます。
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その結果、西欧文明は近代化し発展を遂げたわけですが、
理性に支配された世界が限界を迎えつつある今、
無意識との対話が必要である、
と言うのが、筆者のこの本での主題です。
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理性と感情は相反するものとして存在しているわけではなく、
相互に補完的な存在にあるはずだといいます。
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続きはあす。