本:肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい

最近、実用書(いわゆるハウツー本など)とか、
健康に関する本のコーナーで背表紙を眺めてみると、
『○○するだけで××は良くなる(治る)!』
『○○したければ××しなさい!』
みたいなものをよく目にします。

そんな指図されたくないわ!と心の中でウソぶくものの、
ちょっと気になり本を手に取ってしまう僕がいます。

そして、仕事柄どうしても、
「耳・鼻・のど」の分野には目を通したくなります。
まあ、大概はよく知っている内容なのですが、
中には「ほー!」とか「なるほど!」なんてものもあります。

ま、そんな中、今回読んでみたのがこれ。

『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』 西山耕一郎 飛鳥新社

現在、肺炎は日本の死亡原因の中で、『のどを鍛えなさい』
脳血管障害を追い越して第3位になりました。

これは脳血管障害に対する予防や治療が
進んできたからなのでしょうが、
もう一つ、日本が超高齢社会となり、
誤嚥性肺炎で亡くなる方が増えたからでもあります。
なんでも、肺炎で亡くなる方の70%が
誤嚥に関係するものだとか。

また、僕は知らなかったのですが、
誤嚥による窒息事故による死亡者数は、
2011年度には交通事故の死亡者数を上回ったそうです。

それだけに、超高齢社会においては、飲み込む力を
どれだけキープできるかが寿命を決定するカギなんだそうです。

そして、ここが愕然としたのですが、
実は飲み込む力の衰えは、
40代、50代から始まっているのだそうです!
知らなかった・・・

”食事中にムセることが多くなった”は老化のサイン。

おしりが年齢とともに垂れてくるのと同じく、
のど仏はその位置が年齢とともに下がってくるのだそうです。

こりゃ大変だ。

だけど、筆者はこうも言います。
”飲み込む力は鍛えられる。それも何歳からでも始められる。”
”あらゆる筋肉は歳をとってからでも鍛えられる。”
のだそうです。

そう聞くとちょっと安心。
のどを鍛えて少しでも健康寿命をキープしたいものです。

カギを握るのは”ノド仏を上下させる筋肉(喉頭挙上筋群)”
一般的に筋肉が作られるのは6週間。

そして、この本の後半には具体的な
のどの筋肉を鍛える方法が書いてあります。

具体的なことは読んでもらうとして、
基本的には、人間が生きていく上で必要な、
3つの「のど」の基本的な働き:
1.嚥下
2.呼吸
3.発声
+全身的なかかわり
という観点から、トレーニングについて述べられています。

それにしても、筋肉というのは、どの筋肉でも適度に使って
維持していかなければいけないのですね。

アキレス腱を切って、3ヶ月使わないでいると
みごとに足が硬直して動きが悪くなったのを、
今回身をもって経験したのでわかります。

おそらく身体中の筋肉がそうなんでしょうね。

姿勢を保つ筋肉しかり、
笑顔をつくる表情筋しかり、
足腰の筋肉しかり。

そして、おそらく筋肉だけじゃないんだろうな~。
血管もそうだし、脳の働きもそう。

『○○したければ××しなさい!』
という、これも多くは結局そういうことなんですね。

うーん!
それにしても、こうしたものを全部維持しようと思うと大変です。
おちおち、ぐーたらと寝ていられません。
これは困った・・・