小学生の頃の夏休み3

まあ、そんなわけで、前回からの続きです。

 

夏休みの宿題は、自由研究は比較的よかったものの、
工作はてんでダメ。
残るは、読書感想文とドリル、絵日記です。
読書感想文は一度、校内で1位をいただくことがありました。
(まあ、珍しい!・・・といってもせいぜい校内ですが)

確か、題名が「さとるの自転車」。
内容は忘れましたが、
主人公の「さとる」宛てに手紙を書くという手法を用いて
書いた記憶があります。

今でこそ、目新しい手法ではないかもしれませんが、
我ながら、よくそんなことを思いついたなと、
今でも不思議でなりません。
たぶん、母親に何回もダメ出しをされて、
書き直したんだと思います。
ひょっとしたら母親の思いつきだったのかもしれません。

まあ、そんなわけで、母親もうれしかったのでしょうね、
その時もらった校内読書感想文コンクールでの表彰状が
今でも僕の実家には飾ってあります。
たかが、校内の表彰状なんで、
気恥ずかしいんですけどね。

こんなふうに書くと、
さぞや夏休みにはきちんと机に向かっていた
良く出来たお坊ちゃんを想像されるかもしれませんが、
それは違います。

前にも書きましたが、
朝一番は早起きをしてラジオ体操。
ただ、それも何度か寝坊して皆勤賞はもらえず。
何とかラジオ体操に行ったとしても、
帰ってきたら再度布団に入り寝る始末。
当時、母親は近くの工場に働きに行っていたこともあり、
誰も二度寝を叱る人はいません。

10時頃になってようやくボーとした頭で起き出して、
結局そのままテレビを見る。
当時は、午前中によくアニメの再放送をしていました。
「みなしごハッチ」
「バビル二世」
「タイガーマスク」
他に、「マグマ大使」なんかもよく見たなぁ。

そんなこんなで午前中があっという間に終わります。
午後は・・・仕事です。
だいたい、朝遅めに起きてきて、台所に行くと、
ご飯の横に置き手紙があります。

そこにはその日にやっておくべき仕事が書かれてありました。
・前栽(せんざい、庭のこと)の草むしりをすること
・北の道(実家の北は道に面している)の草むしりをすること
・畑に石灰を撒いておいたからそこをスコップでおこしておくこと
・小豆を小突いて剥いておくこと

これは何のことかというと、
当時、実家では畑で小豆を作っていました。
夏になると実ができてくるので収穫です。
この時、まずはさやごと小豆を採ってきて、
筵(むしろ:藁で編んだゴザの様なもの)に広げて
数日天日干しをした後、このさやを小突いて、
豆だけにするのです。

大量の小豆のさやを一つ一つ豆だけにしていく。
気の遠くなるなるような作業でしたが、
黙々と続けます。
時々首が痛くなって顔を上げると、
青い空と湧き昇る入道雲。
気がつけば小豆の山ができあがっていて、
それは僕に達成感を与えてくれました。

もし僕に多少の粘り強さがあるとしたら、
この豆むきで培われたのではないかと思うのです。