グラタン皿

さて、昨日は前振りだけで終わってしまいました。

今回僕が観に行ったのは、
現在、大阪市立東洋陶磁美術館で開催されている、
「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」展でした。
http://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=366
hokusou

台北の故宮博物院は、ロンドンの大英博物館、
ワシントンDCのスミソニアン博物館と一緒に世界三大博物館と
されています(エルミタージュ美術館を入れる場合もあるようですね)。

僕が初めて故宮博物院に行ったのは、
まだ結婚する前ですので、実に25年以上前のことです。
それ以後にも確か、2回訪れたと記憶しています。

故宮博物院で特に印象に残った作品といえば、
翠玉白菜:白菜の形に掘られた翡翠
肉形石:豚の角煮の形をした石
・・・これらは2014年に日本に来ていましたね。
象牙球:象牙の球形の彫り物ですが、
球のの中にもう一つ象牙の球が入っていて、
どうやって作ったんだろう?と思わせる作品です。

そして、もう一つ感動したのが今回の、
北宋汝窯青磁水仙盆でした。

実は、今回の来日で、この作品の本当の名前を知りました。
僕はこの作品について嫁さんに話をするとき、
「グラタン皿」と呼んでいました。
いやぁ、お恥ずかしい。

だって、僕が初めてこの盆を見たとき、
「ああ、これでグラタン食べたら美味しいだろうなぁ!」
だったのですから。

でも、この盆、裏に刻印してある乾隆帝の詩から、
「猫のえさ入れ」と呼ばれていたそうです。
まあ、何て贅沢な猫でしょう!
ということは、これでグラタンを食べたいと思った僕は、
猫と同等ということか。

ま、つまらない話をこれくらいにして。

この北宋汝窯青磁水仙盆、
「人類史上最高の焼き物」とも言われています。

透けるような青、表面は光輝き、
触ることはできませんが、見るからになめらかです。

この北宋汝窯の青磁自体が、
世界中で90点ほどしか現存していないらしい。
そして、この水仙盆は世界中に6点しかないとのこと。
今回はそのうちの5点が集結して見ることができるのです。
特に、北宋汝窯青磁水仙盆が故宮博物院から
海外に出るのは初めてのことだとのこと。

この水仙盆、現代の作家がオマージュとして作られています。
こちらは写真撮影OKなので撮影してきました。
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本当は、こういう風に水仙を活けるために作られたわけなんですね。
グラタン皿ではないのです。

この特別展では、他にも見逃せないオススメ焼き物があります。
一つは、国宝 油滴天目茶碗。
最近、何でも鑑定団で世界で4つめの発見か?と騒がれている
曜変天目の次にくるお茶碗だそうです。
これも綺麗でため息がでます。

もう一つは、今回の汝窯青磁の集結に呼応したかのように
世にでてきた小さなお茶碗(青磁盞)。
http://www.asahi.com/articles/ASJCW4R8QJCWPTFC001.html

北宋汝窯の青磁は日本に2点しかなかったのが、
今回3点目が確認されたばっかりだとか。
色といい形といい、すごく綺麗です。

特別展「台北 國立故宮博物院-北宋汝窯青磁水仙盆」
3月26日までです。