日本東洋医学会関西支部例会 花輪先生講義2

昨日の続き。
花輪先生のその他の口訣に近いお話。
このブログは僕の備忘録も兼ねていますので。
興味のない方は飛ばして下さい。

清熱補気湯
・清熱補気湯:人参、白朮、茯苓、当帰、芍薬、升麻、五味子、玄参、麦門冬、甘草
・「上熱下寒」「上盛下虚」
・高齢者・虚弱者の冷えのぼせ、津液不足
・ステロイド服用によるのぼせ
・舌炎・口内炎
・更年期障害
・微熱など慢性疲労症候群
・メンタルな面で多愁訴な上焦の虚熱
のぼせ、訴え方がカーッとして熱状気味、ふわーっとする感じ
・ドライアイ・ドライマウス
・耳管狭窄や耳鳴り(特に音楽関係者)
・花粉症
・いわゆる夏バテ
・加齢に伴う咳き込みには麦門冬を増やす
・高齢者の喘息
・苓桂味甘湯より使いやすい
⇒耳管狭窄や耳鳴りにいいとなると気になるところですが、
エキス剤にはありません。残念!

清心蓮子飲
・疲労や冷えが誘因となる無菌性膀胱炎
・八味丸の証で胃腸の弱いものに使う
冷えが強い場合は清心蓮子飲に附子を加える
糖尿病のコントロールにも有用
・更年期障害、頭痛、のぼせ、めまい、首から上の発汗、不眠
夜間尿で起きるので熟睡できない、メンタルな訴え
花粉症で鼻がムズムズする、熱感がある
連綿と興奮し愁訴を訴える人
・脚は冷えることが多いがほてりにも用いる
⇒これはエキス製剤あります。
花粉症にも有効とのことですが、
なかなか最初から清心蓮子飲を処方するのは難しそうです。

中高年には八味丸
・腰痛、下肢痛だけでなく歯痛に八味丸が有効
・「疲れが違う」「意欲が出た」
・中高年の抑うつ、うつ病にも八味丸
・八味丸料より八味丸、牛車腎気丸
・舌に白苔があっても使える
・下痢気味の人が便秘気味になることあり
・女性化乳房の経験あり
・小腹不仁、小腹拘急、小腹膨満を目標にする
・呼吸器疾患⇒味麦益気湯+八味丸
・不眠、驚愕、高次脳機能低下⇒八味地黄丸料加黄連・酸棗仁
・認知症に八味丸を追加
認知症患者の介護者から「性欲異常行動がなくなった」と感謝された
・八味丸+大承気湯⇒便秘が改善し認知機能が改善?
⇒一見。耳鼻咽喉科領域の疾患と関連がなさそうですが、
抑うつや不眠、高次脳機能低下に有効ということから、
治りにくい病気のの場合には、このあたりが必要なのかもしれません。

多愁訴は気剤で対応する
・Panic disorder、化学物質過敏症、金属アレルギー、
食物アレルギー、気管支喘息
原因不明の脱毛、不整脈、頭痛、胸痛、慢性疼痛、
会陰部・尿路不定愁訴など
・香蘇散口訣:萎れ(しおれ)、薬煩・抑うつ
・半夏厚朴湯口訣:予期不安、用意周到、粘膜過敏
⇒病は気から。といっても、ここで言う気は
漢方の概念で言う『気血水』の『気』。
この気を整えるのが大切。