本:心もからだも「冷え」が万病のもと2

昨日に続き「冷え」の問題です。
ただ、その前に念のために書いておかなければいけないことを一つ。

「冷え」が悪いということについては、
筆者と同様僕も同感ですが、
その反面、熱中症も怖い。

熱中症は急性で、たちまちの命に関わります。
ですから、
何が何でも冷やすことがいけないというわけではありません。
「冷やしすぎる」のが良くないわけで、
これからの暑い時期、
冷やすのはよくないと、我慢するのは止めて下さい。
28℃程度でいいのではないかと思いますが、
あまりに暑い場合は、やっぱり冷やす必要があります。

ま、普段から冷えていると、体温調節ができなくなっていて、
それが熱中症を助長させているということも考えられますので、
やっぱり冷やしすぎは良くないだろうと思いますが。

さて、本題に戻って、
身体が冷えると何が悪いか?

女性が冷えているのは容易に想像できますが、
実は男性の冷えこそ怖ろしいと筆者は言います。
そして、日本の男性達は「冷え」に対してあまりに無防備だと。
男性の冷えについて、警鐘を鳴らす人って、
今まであまり知りません。
(知らないのは僕だけ?)
それだけに、この本は男性にも読んでもらいたい本です。

冷えを作る要因は、
一つに外的環境、つまりエアコン等ですね。
もう一つは、食事環境。これは昨日も書きました。
冷えたビール、冷たいジュース、アイスクリームなど。

そして、もう一つはストレスも冷えを産む要因だと言います。
ストレスが多くなると、交感神経の緊張が優位になる。
そうすると体中の血管が収縮する方向に働くので、
手足や、臓器を流れる血流が少なくなる。
血流が悪くなると、冷えてくるわけです。
そして、この血流の悪さこそ、様々な病気の温床になるわけです。

血行が悪くなると、栄養素が細胞に行き渡らなくなる。
すると細胞がへたってくるわけですね。

血行が悪くなると、老廃物が出て行かなくなったり、
血管がつまりやすくなるわけです。

血行が悪くなると、代謝も落ち、免疫力も落ちてきます。
すると生活習慣病やがんなどもできやすくなるわけです。

まあ、筆者も書いていますが、
上の仮説は証明されているわけではありません。

でも、免疫力や身体の酵素などは、
37℃くらいで一番よく働く様になっているそうです。
そう考えると、
身体の冷えはやっぱり好ましいものではないでしょう。
実際に、温熱療法という治療法もあります。
あるいは温泉が昔から湯治という形で残っているのも
体温を適度に上げることが身体の修復によいということでしょう。

筆者はまた、身体の冷えは心の冷えにも繋がると述べています。
「心の冷え」とは、冷酷な人間という意味ではなく、
心の機能が落ちた状態だといいます。
つまり、喜怒哀楽をうまく表現できない状態、
あるいは自分の感情に気づくことができない状態、
特定の感情に囚われた状態・・・だと。

確かに、診察をしていて、
患者さんの背景に、何か怒りであったり悲しみであったり、
そうしたものを背負っているのではないか
という気がする場合があります。
それは患者さんが自覚している場合もあれば、
自分では気がつかれていない場合もあると思います。

カタルシスという言葉があります。
ドラマなどを見たり、あるいは会話をしていくうちに、
涙を流すようなことがあったりすると、
そのあとに心が軽くなる場合があります。
これは、冷えで固まっていた心が融解したと考えられますね。

その他、切れる子どもも冷えている、
不妊症も冷えが原因、アトピーなんかも冷えが関係している
と筆者は考えます。

まあ、因果関係をうまく証明することはできませんが、
全てをそれで片付けるのは無理があるかもしれませんが、
色々な困った事に対して、
「冷え」を疑ってみるのは大切かもしれません。

ところで、嫁さんにこの本の内容を語ったあとのことでした。

よし!僕はこれから、松岡修造さんの様に熱くなるぜ!
と、嫁さんの前で冗談を言ってみたのですが、

嫁さん「・・・・」
しばし、沈黙。そして、

「周囲を冷やしてどうするの!」
と返り討ちにされてしまいました。